続々と閉鎖されていく施設
現在(4月9日時点)、レストランやカフェはテイクアウトと宅配のみ可能、カジノ・バー・ナイトクラブ・映画館などの娯楽施設や、ジムなどスポーツ施設は営業禁止。ショッピングセンター自体は開いてますが、ほとんどの店が閉まっている状態。スーパー・薬局・郵便局・銀行・ガソリンスタンドは引き続き営業中です。
ロックダウン(都市封鎖)ルール
ウイルスの拡散を抑えるため、人との距離をとる「ソーシャルディスタンシング(社会的距離)」戦略が取られているオーストラリア。筆者の住むクイーンズランド州でも、細かなルールが決められています。まず大前提として、外出は「絶対に必要不可欠な場合のみ」。食料・生活必需品の購入、通勤・通学、運動、医療機関への通院、介護、チャイルドケアへの送り迎え、法的義務のためなどは許されますが、それ以外は外出禁止です。
街からは人の姿が消え、静けさに満ちたその光景はまさにデッドシティ。まるで映画のワンシーンを見ているかのようです。多くの人々が日常生活の大半を自宅で過ごすことになり、インターネットが繋がらないこともしばしば。
公共の場では「人との距離を1.5m以上とる」こと。スーパーの床には1.5m間隔で印がつけられるほか、セルフレジマシーンを一台おきに使用中止にするなど、隣客との距離が取れるようになっています。また「家族・同居人以外と外で会う際は、自分を含め2人まで」といったルールも。さらに葬式は10人まで、結婚式は5人までと人数制限が設けられました。
これらの規制に違反した際、個人に対しては最高1万3,345ドル(約90万円)、企業には最高6万6,672ドル(450万円)の罰金を科す権限が警察に与えられています。罰金や細かな規制に多少違いはあれど、他州でも同様の対応がなされているようです。国内で最も被害の大きいシドニーのあるニューサウスウェールズ州では、6カ月間の禁固刑が課せられる場合も。
「外出しない」が世界を救う
こういった政府の取り組みにより、オーストラリア内では危機感がだいぶ高まっているように思います。とはいえ、それでも新型コロナウイルス関連で罰金を課せられた人々が、一週間足らずで139名にも及んだとクイーンズランド州警察は伝えています。確かに先の見えない中での隔離生活は、ストレスもたまりますし気分も沈みがち。息抜きに出かけたくなる気持ちもわからなくはありません。しかし今、元気な私たちにできることは「外出しない」こと。それが自分だけでなく他人も守ることなのです。この危機を一緒に乗り越えましょう。
[参照]
Social distancing for coronavirus (COVID-19)
Australia’s coronavirus social distancing rules explained: state by state guidelines
Coronavirus Australia: People fined for ‘blatantly going for a drive’ as police crack down
[All photos by Shutterstock.com]
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Ai Kaneko 暮らし旅ライター
【オーストラリア】役者として映画やミュージックPVなどに出演。現地撮影コーディネーターとしても様々な作品に携わる。【日本】TV番組制作や旅メディア運営を経験 【現在】「暮らすように旅して、旅するように暮らす」をモットーに、”暮らし旅ライター”としてフリーで活動中。
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