
フランス全土で感染が拡大、1日5万人近くの感染者
フランスでは、8月下旬より、新型コロナウイルスの感染者が再び増え始めました。マスクの着用義務、夜間の外出禁止、バーの閉鎖などの対策を打ち出してきましたが、それでも1日で5万人近くの感染者数が出るなど、爆発的に感染数が増え、政府は2度目のロックダウンを実施。前回は、パリとその周辺、アルザス地方のみに感染者が集中していましたが、今回は、フランス全土で感染が広がっているのが特徴です。
実際にパリ郊外で暮らす中で、新型コロナウイルスの感染が広がっていると身近に感じる機会がたびたびありました。9月の新学期始まり早々、筆者の息子の小学校で感染者が出て、1クラスが学級閉鎖になるという事態に。
それから、10月頃には、知り合いが感染したり、職場で感染者が出て濃厚接触者となったので、PCR検査を受けて自宅待機中という話はたびたび聞くほどになり、新型コロナウイルスは誰でも感染するような状況だと感じさせられました。
今回のロックダウンでは・・・


前回のロックダウン同様に、食品など生活に必要な業種の営業は続き、レストランやカフェはテイクアウトと宅配のみが可能で、その他多くの店舗や娯楽施設は閉鎖状態です。テレワークが推奨されていますが、企業によっては出社したりする人もいるそうで、全ての企業がテレワークのみに切り替えているわけではないようです。実際に、通勤時間帯はラッシュアワー並みではありませんが、電車には一定の人数が乗っているとのことです。
学校の様子は・・・

前回のロックダウンでは、約2カ月学校が完全に閉鎖されるという前代未聞の事態が起きましたが、今回は大学をのぞき、学校は開いたままです。
前回、家に篭りテレワークをしながら、子どもの勉強を見たり相手をすることが難しいと、育児と仕事の両立の厳しさを感じた人が多くいました。子どもが家にいながらのテレワークは不可能、そして学校閉鎖をすれば学力の差が出てしまうといった理由から、現在のところ学校は閉鎖される気配はありません。また、公園は開いており、前回のロックダウンに比べて、子どもたちは自由に動くことができています。公園に行けば、子どもたちが無邪気に遊ぶ姿が見られ、前回のロックダウンより閉鎖感は少ないように感じられます。
ただ、中学と高校は、マスク、アルコール消毒、空気の入れ替えといった最低限の対策は行われているものの、44人もの生徒がいる一部のクラスや、廊下や食堂では密集せざるをえない状況が問題となり、不安に感じる生徒がいるのも現実です。衛生対策がしっかり行われていないという理由から、教師によるストライキも行われたほど。高校は一部オンライン授業を取り入れてもいいということになりましたが、学力の差が出てしまうのではないかと不安視する声が上がっています。
追跡アプリサービス再導入

今回のロックダウンを皮切りに、政府は追跡アプリサービス「Tous Anti-Covid」を再導入しました。前回のロックダウン解除後に、追跡アプリサービスが導入されましたが、ダウンロードする人も少なく、アプリに不具合が起きるなど、ほとんどその機能を果たせず失敗に終わりました。政府は前回の失敗を踏まえ、新しい追跡アプリサービスを発表し、利用を促しています。利用者によると今回のアプリは、前回の不具合は解決されているし、外出許可書を作成するのにも便利と、なかなか好評なようです。
少なくとも12月1日までこのロックダウンは解除されず、12月に状況を見て解除されていくとのことです。12月にはフランス人にとって重要なクリスマスという大きなイベントが待っています。「クリスマスを祝うのは、まだ不可能と決まったわけではない」という希望的観測もありますが、現在のところ、どうなるのかというのは全く状況が見えていません。その後のフランスの状況を、またレポートしたいと思います。
[All photos by Nanako Kitagawa]

Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
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