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実にサステナブル!古代人とほぼ同手法で草木染してみた【奈良県・明日香村】

Posted by: 鈴木幸子
掲載日: Feb 28th, 2022.

聖徳太子が活躍した7世紀の飛鳥時代は、布の染色は中国から伝わってきた草木染が主流でした。奈良・明日香村で森林インストラクターに教わり、できるだけ古代の手法に近い「水谷草木染」を体験してきましたのでレポートします。

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奈良・明日香村、水谷草木染の完成


古代の染色は、四季折々の草木を使って

奈良・明日香村、水谷草木染教室の外観
草木染とは、草木を煮出してつくった染液を使って染色する方法です。大自然に囲まれた明日香村では、四季折々の草木を使う「水谷草木染」の体験教室が開かれています。

昔は布は大変貴重なものであり、擦り切れるまで大切に使い、色が落ちたら繰り返し染め直していたそうです。

まず、布選び

奈良・明日香村、水谷草木染、最初のハンカチ選び
約100種類の地模様入り木綿ハンカチから好きなものを選びます。水玉模様、波模様、スクエア柄、菊柄などいろいろありますが、部屋にたくさん展示しているものを見ながら、仕上がりを予想して好きな地模様のハンカチを選びました。

この白いハンカチ、実は色が美しく染まるようにすでに大豆の汁に6度くぐらせて乾かしています。動物性の毛糸や絹は最初に何をしなくても、深い色に染まるそうです。

先生から古代の模様、技法、知恵のレクチャー

奈良・明日香村、水谷草木染のレクチャー
縁起のよい亀甲柄や、雲、虹など自然の美を模したものなど、さまざまなパターンがあります。

今回は、下記の8種類の植物で染色しました。

●セイタカアワダチソウ(葉・茎)・・レモン色
●玉ネギの皮・・・・・・・・・・・・金茶色
●クチナシ・・・・・・・・・・・・・カラシ色
●栗のイガ・・・・・・・・・・・・・茶色
●枇杷の葉・・・・・・・・・・・・・薄ピンク
●スモモの樹皮・・・・・・・・・・・紫色
●茜の根・・・・・・・・・・・・・・茜色
●赤米の皮・・・・・・・・・・・・・あずき色

好きな色と柄を決め、先生からハウツーを学ぶ

奈良・明日香村、水谷草木染レクチャー
白いハンカチを、どのような模様にするのかが決まったら、その柄によっての畳み方を先生に教わります。

奈良・明日香村、水谷草木染
ハンカチを畳んだり包んだりするだけで、いろいろな模様が生まれてくるって不思議でした。

奈良・明日香村、水谷草木染
畳み終わったら、銀紙に巻かれた割り箸で挟みゴムでしっかりと巻き付けます。

屋外で染色、田園風景と染液の良い香りに満たされる

奈良・明日香村、水谷草木染の染液
外に出ると、8種類の草木がそれぞれの鍋でぐつぐつ煮えているではないですか。割り箸で挟んだハンカチを、まず茜の鍋に入れてしっかりと染まるまで染液に付けます。

奈良・明日香村、水谷草木染の染色
ハンカチは何重にも折られていて分厚いので、中まで色が染みているか確認して、しっかりと染めます。きちんと染めないと、最後にムラが出てしまいます。

奈良・明日香村、草木染の染色
2つめの色は紫なので、スモモの鍋へ。染めきるのに30分はかかったでしょうか。しかし、その間、鍋から香り立つ草木の染液がとても香ばしくて、癒されている自分がいました。

完全に染め終わったら水で洗います。

奈良・明日香村、水谷草木染
でき上がりがこちら!(右) 亀甲柄の赤×紫色にしました。どんな具合に仕上がるか予想がつかなかったのですが、我ながら良い出来に大満足。

最後は皆で記念撮影

奈良・明日香村、水谷草木染の完成
室内に戻って、ロープで乾かします。最後はアイロンをかけて色止めをします。こちらが参加者全員の完成品。

藍染め体験のときの、発酵した藍の強烈な匂いに比べると、草木染は料理の時の香りといいますか、なんともいえない良い香りに包まれます。

奈良・明日香村、水谷草木染の体験教室内
古代の人々の模様を作るための工夫や知恵、自然のモチーフの布を纏いたいという気持ち、そして、天然植物から生まれる素朴でピュアな色合い、すべてが新鮮でした。古代から受け継がれる日本人の貴い精神性も学ばせてもらった気がします。

古墳ファンに絶大なる人気を誇る明日香村の「石舞台古墳」から車で約10分。明日香村に行ったら、古墳巡りとともにぜひ「水谷草木染」を体験してみませんか。

 


 

●水谷草木染体験
住所:奈良県高市郡明日香村立部448
電話:0744-24-5802
営業:9:00~17:00
休み:月・火曜
公式サイト:https://mizutani-kusakizome.com/index.html

[All photos by SACHIKO SUZUKI]

鈴木幸子

sachikosuzuki 旅行記者、エディトリアル・ディレクター
出版社勤務や地球の歩き方編集を経て2001年に独立。世界60か国以上を頻繁に取材し、一期一会のハッピーな記事を書いています。JTBるるぶ「アンコールワットとカンボジア」初版制作。著書『もち歩きイラスト会話集タイ/池田書店』、『みやざきの自然災害』ほか。有限会社らきカンパニー主宰。「らき」はギリシャ・クレタ島の地酒の名前です。


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