米国務省が報復テロのリスクを警告
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2001年9月の米同時多発テロ事件を首謀した国際テロ組織アルカイダの現指導者アイマン・ザワヒリ容疑者が、アフガニスタンの首都カブール周辺で7月31日に米軍のドローン攻撃によって殺害されたことを受け、米国務省は8月2日、中東やアフリカなどで活動するアルカイダ地域支部やその支持者らが、米国の権益を狙った報復テロを行うリスクが高まっているとして注意喚起した。
国務省によると、各国にある米国大使館など米関連施設への攻撃が想定されるという。近年、世界ではテロ事件数は幸いにも減少傾向にある。アルカイダトップの殺害によって、テロ事件数が再び大幅に増加することはないだろうが、今後しばらくは、各国にある米権益にはできるだけ近づかないほうがいい。
テロ情勢が今後悪化する恐れも
近年、世界の目は米中対立やロシアによるウクライナ侵攻など、国家間問題に焦点が当たっており、以前ほどテロに注目が集まっていなかった。
しかし、アルカイダを支持する武装勢力は各地に点在している。イエメンの「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」、北アフリカで活動する「マグレブ諸国のアルカイダ(AQIM)」、ソマリアの「アルシャバブ(Al Shabaab)」、マリを中心にサハラ地域を拠点とする「イスラムとムスリムの支援団(JNIM)」などは、現地の治安にとって大きな脅威となっている。
特に、アルシャバブは隣国ケニアで再び欧米権益を狙うテロ事件を繰り返しており、今回の殺害によって、ケニアのテロ情勢が今後悪化する恐れは現実的に考えられる。また、アルカイダの支持者はネット上を通じて情報に触れることができ、欧米各国で報復的な無差別なテロを計画する恐れも排除できないだろう。
米権益へはなるべく近づかない
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多くの国を旅したことがある人ならわかるだろうが、米国大使館や重要な米権益などは、各国の首都中心部、高級地区などにあり、日本人が渡航すれば近くにある存在だ。
9.11以降、インドやバングラデシュ、シリア、チュニジア、スリランカ、アルジェリア、バングラデシュなどで、日本人はアルカイダなどイスラム過激派によるテロに巻き込まれてきた。しかも、そのリスクは今でも残っている。
よって、今回の米国務省の警戒発信はひとつの危機管理にするべきで、米権益へはなるべく近づかない、用事があったとしても長居しないなど、自分でできる危機管理対策を徹底することが重要だ。
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andalucia
政治学者
専門分野は比較政治、国際政治経済。特に近年は米中関係や経済安全保障などの日本の国益を左右する研究に従事する。また、学術研究に留まらず、NHKや共同通信、朝日や日経、産経など大手メディアで解説なども行う。
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