ベトナム周遊旅行経験者が「訪れるべき街」の筆頭に挙げるのが中部の街・ホイアン。その歴史ある街並みが評価され、「古都ホイアン」として世界遺産にも登録されています。
そんなホイアンの魅力をご紹介しましょう。
ノスタルジックな古都・ホイアン
喧噪のホーチミンやハノイとはうってかわって人通りも少なく、落ち着いた歴史の街、ホイアン。この街を訪れた人はみな、「なつかしい」と口をそろえます。
古びた風情ある建物が立ち並び、名物のランタンがあたたかい光を灯すホイアンは、日本人にとってもノスタルジーを呼び起こされる場所。初めて訪れた人でもなんだかこの場所を前から知っていたかのような気にさせられるかもしれません。
中心部は車の乗り入れが禁止されており、移動手段は徒歩や自転車、ベトナムの自転車タクシー「シクロ」といった、昔ながらの人力。まるで自動車がなかった昔の時代にタイムスリップしたかのように感じられます。
世界中から観光客が訪れるようになった現在でも、ホイアンの街は観光客だけのものではなく、地元の人々の生活もまたそこにあります。観光と人々の暮らしとが混ざり合った、今なお生き続ける世界遺産が古都ホイアンなのです。
西洋と東洋が融合する街並み
ホイアンの街ではパステルカラーのコロニアル建築や派手な彫刻が施された中国寺院、昔の日本家屋風の木造家屋など、さまざまな建築様式を目にします。
その昔、ベトナムがあるインドシナ半島では港を拠点とした交易が栄えました。ホイアンから車で40分ほどのところにある港町・ダナン周辺ではチャンパ王国が成立し、中国、東南アジア、インドを結ぶ貿易を手がけていました。
ホイアンは15世紀にチャンパ王国の主要港となったのち、16世紀には古都フエを首都とする広南国の港となり、国際貿易の拠点として繁栄したのです。16世紀、広南国は江戸幕府との朱印船貿易を行い、ホイアンに日本人街が生まれました。
さらに中国やオランダ、ポルトガルとの交易も盛んに行われ、各国の建築様式を取り入れた建物が建設されました。それが現在の、西洋と東洋が融合した不思議な魅力をもつ街並みのもととなったのです。
ホイアンには派手な観光スポットはありません。そのかわり、古い建造物がいたるところに立ち並ぶ、街全体が博物館のような場所。宝探し気分で目に入った寺院や博物館、ショップをのぞいてみましょう。
チャンフー通り
ホイアンのメインストリートがチャンフー通り。たくさんの雑貨ショップが並び、観光客が行き交うにぎやかな通りです。
細い路地もいたるところにあり、散策が楽しいエリア。古都の風情を感じながら好奇心のままに歩いてみましょう。
来遠橋(日本橋)
チャンフー通りの西橋にあるのが瓦屋根をもつ来遠橋。1593年にホイアンの日本人街に住んでいた人々が建てたといわれることから、別名を「日本橋」ともいいます。ベトナムの通貨、20000ドン札にも描かれており、ホイアンのシンボル的存在となっています。
橋の上にあるお堂には、頭はインド、背中はホイアン、尻尾は日本にまで至るという伝説の大ナマズが祀られています。遠くベトナムで400年前の日本人の足跡をたどるのはなんともいえない感慨がありますね。
グエンタイホック通り
チャンフー通りに並行して走る閑静な通り。アクセサリーやアオザイのショップなど、女性なら見逃せないショップも充実。地元の人々の生活を垣間見なが落ち着いた時間が過ごせます。
バクダン通り
トゥボン川に沿って続くバクダン通りはカフェやレストラン、屋台、ショップなどが軒を連ねる活気ある通り。
早朝には新鮮な魚介類が並ぶマーケットが開かれ、昼にはカフェやレストラン、そして夜になると屋台がにぎわいます。
ホイアンらしい西洋と東洋をミックスさせたおしゃれなカフェもたくさんあるので、川を眺めながらゆったりと流れる時間を感じてみては。
トゥボン川に架かる橋を渡った先ではナイトマーケットも開かれ、朝から晩まで一日中訪れる人々を楽しませてくれます。
数百年前から変わらない、ゆるやかな時間が流れるノスタルジックな古都、ホイアン。この情緒あふれる街は訪れる人をいつも変わらない優しさで包み込んでくれるかのようです。
[ベトナムの世界遺産!ホイアンのおすすめ観光スポット|All About]
[All photos by Shutterstock.com]
Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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