福島県の大内宿(おおうちじゅく)は、かつて江戸時代の大名たちが旅の途中立ち寄った宿場町。冬の時期に開催される、幻想的な雪まつりをご紹介しましょう。
伝統的なかやぶき屋根の街並み
大内宿の歴史は古く、かつては伊達政宗や豊臣秀吉の一行が利用したこともあるそうです。当時、宿場町として栄えたこの一帯には、今でも伝統的なかやぶき屋根の建物が並び、昔の名残りをそのままに伝えています。
通りにはお団子やそばのお店が並び、食べ歩きも楽しめます。ごはんをつぶして丸め、お味噌を塗って炭火でこんがり焼いた「しんごろう」など、珍しい郷土食もいただけますよ。
雪が降ると、まるで日本昔話の世界!
趣きのある大内宿ですが、冬の時期になると、辺りは一面雪景色に。かやぶき屋根にしんしんと降り積もる雪を見ていると、何だか笠地蔵のお話をイメージしてしまいます。
かやぶき屋根にできた、見事なつららは、芸術作品のように美しくきれいですよ。
二日間だけの幻想的雪まつり
まるでメルヘンの世界のように素敵な冬の大内宿ですが、毎年2月になると雪まつりが行われます。
今年の開催日は2月13日~14日。貴重なこの二日間には、きき酒大会やそば食い競争など、郷土色豊かなイベントが盛りだくさん。また、冷えた体を温めてくれる甘酒や肉汁の無料配布もありますよ。
中でも13日の18時から行われる「御神火戴火」は必見です。「御神火戴火」とは大内宿の伝統行事で、宿場に雪で作った灯籠をずらりと並べ、その中に神聖な御神火を灯していきます。
(C) facebook/大内宿
雪灯籠が灯った大内宿は、さらに気高さを増し、厳かな雰囲気に包まれます。
(C) facebook/会津物語〜誇り高き“義”の心今なお息づく会津の地
(C) facebook/会津物語〜誇り高き“義”の心今なお息づく会津の地
(C) facebook/会津物語〜誇り高き“義”の心今なお息づく会津の地
(C) facebook/会津物語〜誇り高き“義”の心今なお息づく会津の地
ラストは、花火の打ち上げまであります。夏の花火は珍しくなくても、冬の花火なんてめったにお目にかかれません。雪景色と夜空に咲く大輪の花のコントラストは、儚く美しい日本の美意識そのものではないでしょうか。