うどんのだしなど、関東と関西では食文化が違いますよね。いちご大福にも「関西風」があるって知ってましたか? 苺と餅、餡の三位一体のハーモニーがたまらない、「関西風いちご大福」の魅力をご紹介します。
関西風いちご大福とは?
普通、いちご大福といえばお餅の中に苺と黒あんが入っているものが一般的です。「関西風いちご大福」の特徴は、黒あんではなく白あんを使用しているという点。関西で売っているすべてのいちご大福が白あんというわけではありませんが、白あんのいちご大福は関西ではとてもポピュラーな存在です。
和歌山で生まれ育った筆者が幼いころから食べていたのも白あんのいちご大福。「いちご大福には白あんが当たり前」だと思っていました。大学進学を機に上京したときに、東京では白あんのいちご大福がないことに気付き衝撃を受けたものです。
元祖・関西風いちご大福
関西風いちご大福の元祖とされているのが、大阪と和歌山に20数店舗を展開する青木松風庵の「おしゃれ」。大粒の苺を羽二重餅と白あんで包んだいちご大福で、関西のテレビを中心にメディアでもしばしば紹介されています。
柔らかい羽二重餅の奥にある苺の赤味がほんのりと透けて見えます。
切ってみると、この通り。白あんだからこそ、いちごの赤が映えて見た目にも美しいですね。なんだか食べるのがもったいないくらいです。
口に入れると最初に感じるのは、羽二重餅の軽さとやわらかさ。そして、白あんの上品な甘みと苺のほのかな酸味が絶妙なハーモニーを生み出します。
苺と餅と餡がまさに三位一体となって、別々に食べたときには決して味わえないおいしさを演出しています。
こだわりのおいしさ
青木松風庵の和菓子には100%自家製の「こだわりの餡」が使われています。自家で餡を製造している和菓子店は業界全体の10パーセントに過ぎないのだとか。お菓子の種類に合わせて150種類以上の餡を生み出しているそうで、おいしいのも納得ですね。
重くなく、しつこくなく、ペロリといけてしまう関西風いちご大福。餡の甘さや重さが苦手で和菓子はあまり食べないという方でも、これにはハマってしまうかもしれません。
筆者にとっては今でも地元に帰るときの楽しみのひとつ。一度白あんのいちご大福を味わってしまうと、もう黒あんには戻れないかも。
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[青木松風庵]
※時期により販売を休止している場合がありますので、購入の際には店舗への確認をおすすめします。