
近年、女性にとって危険な国というイメージが強くなってしまったインド。若い女性の一人旅は、あまり見かけなくなりました。しかしポイントさえつかんでいれば、日本人が恐れるような危険はたいていが避けられる類のものです。インドを心から楽しめるよう、危険の回避方法を知っておきましょう。
何よりも“人”に気を付ける

インドで観光客が遭う犯罪の多くは、詐欺やぼったくりです。後述する特定の都市の、観光客が多い場所では、会ったばかりの人や、道端で親切そうに話しかけてきた人が言うことを素直に信じないほうが無難です。慣れてくると、話しかけ方の不自然さから、何か魂胆がありそうだとわかってきますが、慣れるまでに騙されてしまう人が多いようです。
また、女性が通りを歩いていて拉致されるようなことは普通ありません。人目がある限りは安心して大丈夫です。インド人は押しが強く、なんでもダメモト精神で行動します。おとなしい日本人女性としばらく一緒にいて、調子に乗った人がレイプなどの事件を起こすといえそうです。
その強引さに、慣れていないとつい流されてしまうかもしれませんが、彼らは言われないとわかりません。ついていかないのはもちろん、つきまとわれたらはっきりといやだという意思表示をしましょう。そうなるのを避けるためにも、2人きりになる状況は決して作ってはいけません。
“場所”に気を付ける
特にトラブルが多いのが、街でいうとおもにデリー、アグラ、ジャイプル、バラナシ、コルカタといった、観光地として人気の北部の都市。また、ブッダ・ガヤーやカジュラホなどの小さな町も注意が必要です。

とくに玄関口のデリーには、まだインド慣れしていない旅行者を狙う輩が待ち構えています。なかでも空港から市中心部へ向かうプリペイドタクシー、ニューデリー駅周辺、繁華街のコンノート・プレイス、安宿街のメイン・バザールなどでトラブルが多くなっています。

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もしインドが初めてなら、北部を避けて西部や南部の諸都市から旅を始めるのもおすすめです。ある程度インドに慣れてから北へ向かえば、ものの相場はすでに把握していますし、交渉力や英語力も少しは磨かれているはずです。
“手口”を知っておく
旅行会社(またはニセの観光案内所)に連れていかれ、高いツアーを組まされる、というのがデリーで最もよく耳にするサギの手口。これを防ぐには、何としても連れていかれないようにするのが大事です。駅で「その列車はない」などと言われたら、ほかの複数の信頼できそうな人に真実を確認する、空港からタクシーは使わず、最初は出迎えを頼んだりするなど、状況によってさまざまな対処法が考えられます。
このほか、実家に招待されて喜んでいたら、高価なプレゼントを強制的に買わされたり、女性であれば「マッサージしてあげる」などといわれセクハラされたり、奥さんがいるのにお金目当てで旅行者に近づくケースなどがあります。数年来の知人ならともかく、知り合ったばかりの人、とくに若い男性に誘われたなら、よほど信用できる人でない限り行かないほうがいいでしょう。ましてや実家が遠くの別の町や村だったりしたら、逃げるに逃げられなくなる可能性もあるのです。
注意すべき場所やだましのパターンは町によっても異なるので、インターネットで調べておき、現地ではほかの旅行者に話を聞くなどして、できるだけ把握しておくと安心です。

(c)Sawako Suganuma
いろいろなサギの手口を知ってからインドへ行くと、最初はなかなか人が信じられないかもしれません。でも、人はインドの大きな魅力でもあるのです。声をかけてくる強引な人には毅然とした態度で臨み、そのうえで気持ちに余裕をもってインド人と接したいものです。
※2017年12月現在、インドには地域によりレベル1〜4の注意が外務省より発表されています。渡航検討の際は必ずご確認ください。
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sawako 編集・ライター
ガイドブックやウェブサイトなど、旅ものを中心に活動しているフリーランスのライター兼編集者。かつてバックパッカーとして、3年半かけて世界を一周。旅に関する情報を目にするたびに行きたくなってしまう、また、マニアックな場所ほど萌えてしまうという旅のビョーキもちです。
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