地下鉄五条駅から歩いて6分ほど。大正9年に建てられた京町家をリノベーションした「御旅宿 月屋」。京町家ならではのベンガラ格子や虫籠窓(むしこまど)が印象的。
扉をガラリと開けると、通り庭と呼ばれる土間。敷地の幅が狭く奥行きが長い京町家では、どの部屋にも光や風が入り込むように表から裏まで続く土間が作られてきたのだそう。
月屋のお部屋は全部で4つ。こちらは中二階にある五畳半和室「朔」。虫籠窓に向かって天井が低くなる独特の造り。こじんまりとした雰囲気が情緒たっぷりです。定員は2名ですが1名でも利用可能。一泊朝食付きで7,000円(1名利用の場合)。ひとり旅でも気軽に宿泊できますよ。
採光や風通しのために設けられた京町家を象徴する虫籠窓。心地よい柔らかな光が差し込みます。
アンティークな調度品やお花も配され、風雅な趣を演出。
1階の土間にあるお台所。かつてはこちらに竃(かまど)があったのだそう。宿泊客は使用できませんが、町家ならではのお台所は昔ながらの風情も感じられます。
お風呂、洗面所、お手洗いは共同。町家宿は水回りが古く使い勝手が不便ということも少なくありませんが、月屋はリノベーションしているだけあって新しく快適。お風呂には大きな信楽焼の湯船があり、旅の疲れも癒されました。
朝食は各お部屋の中にて。ほかほかのご飯、温かいお味噌汁、京都産の食材を中心に使ったおばんざいが並びます。カラダにもココロにもやさしいおいしさは、素敵な一日のはじまりに。
月屋の魅力は家庭的なおもてなしでもあり、まるで暮らしているような気分にも。
次の京都旅では情緒ある町家に宿泊して、古の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
[All photos by Nao]