アイルランドのアラン諸島、イニシュモア島を訪ねて

Posted by: 鳴海汐

掲載日: Apr 22nd, 2018

90年代にアランニットが大流行したときから、いつか行ってみたかったアイルランドのアラン諸島。6年前に念願叶って訪れたときに出会った、いい意味で寒々とした簡素で素朴な風景をお伝えします。アラン諸島最大の島イニシュモア島を現地ルポ。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて

荒波を乗り越え

アラン諸島に行くには、まずアイルランドの首都ダブリンとは反対側に位置するゴールウェーに向かいます。そこからアラン諸島最大の島イニシュモア島へはフェリーで40分。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて
(c)Shio Narumi

たった40分ですが、侮ってはいけません。これまで各地で船に乗ってきましたが、個人的に最高レベルの揺れを経験しています。席に座っていてお尻が何度浮いたことでしょうか。何人もが撃沈して気分を悪くするのが目撃される船内・・・。

しかし酔い止めで乗り切った先には、心に残る風景が待っています。

木もない土地に佇むたてものや動物

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて
(c)Shio Narumi

レンタル自転車でぶらぶら。みえてきた建物がなんとも素朴です。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて
(c)Shio Narumi

ペアの牛。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて
(c)Shio Narumi

子牛は2匹にみえて、影のように見える子も入れて3匹。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて
(c)Shio Narumi

馬もペアで。

本当に何もなくて。ぽつりぽつりと建物があって。牛や馬がたまにぼーっとしています。それでも、土地のパワーを感じます。フェンスも何もない中で暮らす動物に自由があるからなのでしょうか。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて
(c)Shio Narumi

この自然にかえりかけたような教会は、当時高校生だった筆者が雑誌から得たアイルランドの島のイメージを体現していました。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて
(c)Shio Narumi

美しい海岸。

石積みの古代遺跡ドゥン・エンガスと断崖絶壁

実は絶滅危機というアランニットをお買い物した後は、古代遺跡に向かいます。自転車を所定の場所に置き、徒歩で石積みの道を進みます。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて

3500年以上前に暮らしていた古代ケルト人による石積みの遺跡「ドゥン・エンガス」。強い向かい風に吹かれながら、それが何のためにつくられたか分からないという事実が感傷的な気分にさせます。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて
(c)Shio Narumi

そしてこの遺跡の人気を強力に後押しするのが100mもの高さの断崖絶壁です。柵もなくてギリギリまで行けるのがすごいところ(6年前はそうでした)。下をのぞくとその高さに腰が抜けそうになります。打ち付ける波の強さと強風も恐怖心を増幅させます。腹ばいになりますが、落ちるのではないかと体がコチコチ。

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて
(c)Shio Narumi

アラン諸島、イニシュモア島を訪ねて

写真では恐怖が伝わらないもどかしさ。それも味わっていただきたいのですが、この遺跡だけでなく、島を流れる空気感が独特だったので、一度はぜひ。

[veltra.com]
[Photos by shutterstock.com]

PROFILE

鳴海汐

Shio Narumi ライター

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

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