喫煙者に対する風当たりが強くなっているのは、世界的な風潮。例えばイギリスでは、2007年頃から屋内での喫煙が基本的に禁止され、公共の場所ではタバコが吸えなくなりました。寒い冬にパブに飲みに来た人々が、喫煙のために外に出て、ぶるぶる震えながらタバコを吸っている様子はイギリスではお馴染みの光景です。
そんな中、とある場所で、タバコに関してとりわけ厳しい法案の審議が始まりました。それは、日本人観光客も多数訪れているハワイ。どんな法案なのか見てみましょう。
アメリカの中でも喫煙に厳しいハワイ
米国ハワイ州は、元々アメリカの中でも喫煙に対して厳しい土地。米国の多くの州では、タバコ購入可能年齢の下限は18歳か19歳に設定されています。けれどハワイは、2017年1月に、その喫煙年齢を21歳に引き上げたのです。そして2018年のデータによると、アメリカ全体では喫煙者の割合は17.1%ですが、ハワイは12.8%に留まり、アメリカの中でも4番目に喫煙者の割合が低い州なのだとか。
平均寿命を上回る喫煙下限年齢
そんな中、救急医でもあるハワイ州下院のクリーガン議員(Richard Creagan)が、喫煙下限年齢をさらに引き上げる法案を提出しました。それは何と、現行の21歳から何と最終的には100歳にまで引き上げるという内容!
手始めに2020年に30歳まで引き上げた後、2021年に40歳、2022年に50歳、そして2023年に60歳しようという計画です。そして2024年に100歳を目指すそう。この大胆な法案は、世界中に衝撃を与えました!
ちなみにハワイの住民の平均寿命は、米国全体の平均寿命より3年ほど長くなっています。けれど、それでも2010年のデータでハワイの平均寿命は82歳でした。つまり、2024年には、タバコを吸える人はハワイからほとんどいなくなってしまうかもしれません。
電子タバコと葉巻ならOK
けれど、この法案にも抜け穴(?)があります。実は、電子タバコと葉巻は規制の対象外なのです。何故なら、法案の立役者であるクリーガン博士が「通常のタバコよりも喫煙者にとって非常に安全である」と考えているためなのだとか。ただしこれはあくまでも議員の個人的な見解であり、アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute)は「すべてのタバコ製品は有害でがんを引き起こす」と警告しているのだとか。そういった見解の相違はありつつ、ハワイからタバコ的なものが完全に排除される訳ではなさそうです。
まだこの法案は審議段階であり、喫煙年齢引き上げが決定した訳ではありません。けれど、もしハワイでタバコを吸いたいのなら、今まで以上にTPOを気にしたほうが良いかもしれませんね。吸う人にも吸わない人にも、快適な空間と時間が約束されて欲しいものです。
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