イギリスのトイレ事情
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海外から訪れる外国人観光客や海外在住の日本人が日本に来てまず驚くことと言えば、日本のトイレのレベルの高さ!空港や駅などの無料の公衆トイレですら清潔で、ウォッシュレット完備が当たり前など高級ホテルさながらの素晴らしいクオリティです。
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一方のイギリスでは、公衆トイレはお世辞にも世界に誇れるレベルとは言えません。できれば使いたくないようなトイレはもちろん、便座が(もともと)ないトイレも当たり前に存在します。ところが、ここ1-2年イギリスでは、特に大学や図書館、市役所などの公立設備でのトイレが変化(進化)しています。
だれでも使えるジェンダーニュートラルトイレとは?
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イギリスの公共のトイレでよく見かけるようになったこのマークをみなさんは見たことがありますか?イギリスでもつい最近までは、女性用トイレ、男性用トイレ、多機能トイレ、乳児連れ用のファミリールームと別れているのが一般的でした。ところが最近は、女性用と男性用のトイレの代わりにこちらのマークが増えてきています。
このマークはジェンダーニュートラルを意味しており、よく知られている♂(オス)のマークと♀(メス)のマーク、そしてトランスジェンダーのマークを組み合わせたものです。
つまりジェンダーニュートラルトイレは、性別に関係なくだれでも使うことができます。一番の特徴はトイレひとつひとつが(床から天井まで仕切られた)完全なる個室で、鏡や洗面台、手を乾かす設備などがすべてが個室内に整っていることです。
こんなマークもジェンダーニュートラル
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ほかにもこんなマークもジェンダーニュートラルトイレという意味で使われています。
LGBT+に理解あるイギリスだからこそ
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イギリスではLGBT+(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)などのセクシャルマイノリティの人たちへの理解が深く、人権を尊重するためトイレをジェンダーニュートラルにする動きが広がりつつあります。日本でも「LGBT」という言葉は広まりつつあるかと思いますが、まだまだテレビの世界で見るおねえタレントが「LGBT」の象徴かと思います。
イギリスではいまだに根強い偏見ももちろんありますが、職場の同僚に、学生時代の友達に、親戚にと、身近なところでセクシャルマイノリティの人たちが多く存在しておりごく普通に受け入れられています。トイレ自体の機能性や清潔さはまだまだ改善の余地がありますが、ジェンダーニュートラルトイレをいちはやく普及させ、マイノリティを受け入れようとするイギリスの素敵な一面が公衆トイレのサインから感じられます。
イギリスにお越しの際は、ぜひ、注意してみてみてくださいね!
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