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TABIZINEの過去記事「外国人が幻想を抱く『日本人の性』とは? ポルノ大国ジャパン」でもお伝えしたように、不名誉ながら日本発のアダルト用語は海外でも定着しています。そのひとつが、今回取り上げる「Chikan」。ほかの国でもないことはありませんが、日本は世界でもトップクラスの痴漢大国です。
2017年10月にはフランスで『Tchikan』というタイトルの本が発売されて、当地ではメディアが取り上げるほど、日本の意外性を指摘しています。日常的に起きている痴漢行為を、外国人はどう思うのでしょうか?
東京在住のフランス、オーストラリア、インド、台湾の男性に、痴漢についての見解を聞いてみました。
フランス/20代男性
フランス人が考える日本のイメージは、寿司、漫画、ビデオゲーム、テクノロジー。そして、日本人の礼儀正しさに加え、AVのジャンルのひとつである「変態」、電車内の「痴漢」ということも、フランスを始め、海外では知られていると思います。
痴漢の描写は漫画に出てくることもあるし、AVではジャンルのひとつにもなっています。そのようなシーンに頻繁に触れると、(現実とファンタジーの境目が曖昧となり)痴漢行為を働きたくなる男性もいるのではないでしょうか。
日本人の方々は、公共の場では男女ともに大人しいですし、人目を気にしやすい性質だと思います。だからこそ、女性が声を上げるのは難しいのでは。もしフランス人女性が痴漢に遭った場合、フランス人女性なら電車内で叫びまくると思いますよ。
また電車内の痴漢行為は、誰に触られているかが曖昧だと思います。そして電車が揺れる動きに合わせてタッチすれば分かりにくいことも、痴漢にとっては好都合なのでしょうね。ところで、日本の女子中高生はスカートが短すぎる人が多くないですか? 密着してしまう満員電車のなかで、美しい素足が毎日のように目の前にあったら……触りたくなってしまう気持ちは分からなくもないです。もちろん、それは絶対にいけないことなのですが。
また、日本ではフランスのように、セックスが日常的な行為ではないと考えます。性行為の頻度が少ないことが、痴漢の要因のひとつとなっているのかもしれませんね。
インド/30代男性
東京で暮らし始めて2年になるけれど、痴漢のことはあまりよく分かりません。でもひとつ言えることは、母国で同じことが起こった場合、インド人女性なら大声を上げて抵抗するはず!
オーストラリア・フランス/20代男性
母国では、痴漢って聞いたことないね。僕たちの国民性もあるだろうけれど、一番の要因は環境の違いだと思う。オーストラリアでは、東京の満員電車のような混雑具合になることってないし、こういった環境が確保できないないと痴漢はしにくい……というのもあるんじゃないかな。オーストラリアや欧米での性犯罪というと、痴漢ではなくレイプになると思います。
台湾・フランス/20代男性
僕は女性に痴漢された経験があります。深夜に歌舞伎町付近を歩いていたところ、後方から日本人女性に抱きつかれてとても怖かった。びっくりして走って逃げたのに、彼女も僕を追いかけてきました。歌舞伎町という場所柄、ひったくりの可能性もあるかと思って、コンビニに逃げて財布や携帯を確認。すべて上着に入ったままでした。
痴女に遭ったのは初めての経験。よく「痴漢の逆バージョンなら、男はうれしいものなんじゃないの」とか言うけれど、あれは恐怖でしたよ。
(C)yvonne
今回のヒアリングで、痴女の話が出てきたことにビックリ! 「女性に触られたら、抵抗しないかも」と言っていた男性陣も、台湾人男性の話を聞いて「それは怖い」「気持ち悪い」という意見でまとまりました。
自らのパーソナルスペースを侵されること、そして見知らぬ人に体を触られることは、誰にとっても恐怖でしかないことが分かります。
原稿の執筆にあたり、『男が痴漢になる理由』という本を読みました。この本には、なぜ日本には痴漢が多いのか、なぜ痴漢をはたらくのか、といった事柄が綴られています。海外の性犯罪との比較についても触れられているので、興味をもたれた方は手に取ってみてもよいかもしれません。
[書籍:男が痴漢になる理由]
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