食べ物や飲み物にまつわる意外な好みの違い
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世界中でファンが増え続けている日本の食文化ですが、すべてが海外で受け入れられているわけではありません。日本人でも好き嫌いの分かれる納豆のようにわかりやすい食べ物だけではなく、ほとんどの人がNGという意外な好き嫌いがあります。今回は、筆者の住むイギリスから食に関する好みの違いを紹介します!
食べ物編:肉の好み
イギリスで好まれるのは低脂肪のお肉
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イギリスでは、脂肪分が少なく歯ごたえのある肉肉しいお肉がおいしいとされる傾向があります。基本的にお肉は脂肪分の少ない部位ほど値段が高く、例えば鶏肉ではささみにあたる胸肉が一番高級で、チキン1羽まるごとよりも高いほどです。逆に、鳥のもも肉や骨つきのドラムスティックなど日本で人気のある部位は、手ごろに手に入ります。
この傾向は他のお肉にも共通しており、例えば、高級ステーキの代表として知られるシャトーブリアンも、実は脂肪分が特別少ない牛フィレの希少部位です。また、最近日本でも人気が出てきたジビエの高級食材である鹿肉も、実は赤身でとにかく脂肪分や少ないお肉です。
豚の角煮、鳥皮の焼き鳥は食べられないイギリス人がほとんど
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筆者の個人的な経験からですが、イギリス人は豚の角煮が食べられない(もしくは好んでは食べたくない)という人がほとんどです。豚のばら肉の脂肪部分の柔らかい歯ごたえや脂身自体の味が苦手、という人が多いのが理由です。また、柔らかい皮の焼き鳥も同様に苦手な人が多い一品と言えます。外国人のお友達をおうちに招待したり、居酒屋などで食事をする際は、ぜひ覚えておくとよいでしょう。
飲み物編:生ビールの泡はNG!
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日本では、泡があってこそ、うまい生ビール!のような風潮がありますが、イギリスでは完全にNG! ラガービール、エールビール、クリーミーな泡が売りのギネスでさえ、グラスに1センチ以上泡があることはまずありえません。イギリスでは泡とビールをいっしょに楽しむ、という感覚はまったくなく、泡が多いビールは損と思っている人が多いほどです。パブなどで泡が多めのビールがサーブされた場合は、泡が消えるまでカウンターで待ってトップアップしてもらう人の姿もよく見かけます。
ところ変われば食の常識も変わる
豚の角煮と白いご飯、皮の焼き鳥にきめ細やかな泡立つ生ビール、と日本では間違いのない「おいしい」光景もイギリスでは苦手な人が多いという意外な事実。ところ変われば、食へのこだわりや常識も変わるって面白いと思いませんか。
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