静かな住宅街でえんじの暖簾が黒格子に揺れる
1日1組限定、1棟貸しの宿は「紡 京都駅南」。京都駅からも近い徒歩5分ほどのところにあるのですが、駅前の喧騒が嘘のよう。住宅街の中にある小さい路地を進むと、黒塀に包まれたえんじの暖簾が風に揺れています。
なんとなく、京都のセカンドハウスに帰ってきたような感覚。京町家ステイが存分に楽しめそうです!チェックイン時に必要な暗証番号やハウスルールを確認したら、誰にも邪魔されないプライベート感たっぷりの京町家でのおこもりがスタート!
玄関脇にある襖を開けるとフローリングのリビング&キッチン。外観とは異なる漆喰レンガのあしらいに、IHコンロや冷蔵庫、レンジなど、充実の設備が整っています。
キッチンの引き出しを開ければこの通り!調理器具や食器、スプーンやフォークなどのカトラリーもそろっているので、自炊することも可能。プライベート感たっぷりに過ごすことができるのです!
ところでこの“京町家”とは・・・昭和25年(1950年)以前に伝統構法により建築された木造建築を指し、100年以上の歴史をもつ建物も少なくないのだとか。歴史的文化価値の高い京町家ですが、所有者の高齢化や相続問題、改修の難しさなど多くの課題があり、近年急速にその数が減少しています。
そんな“京町家”を「人を結び 街を紡ぐ」をコンセプトに、宿泊施設へと再生する取り組みを行っている「レ・コネクション」が手掛けるのが、この「紡 京都駅南」。京町家をリノベーションした宿をメインに、京都に52棟もの宿泊施設を運営しています。
京町家を再生したしっぽり落ち着ける和の空間
リビング&キッチンから続く襖を開ければ、畳にベッドが配された寝室が。障子からはやわらかな陽光が影を落とし、坪庭と相まってなんとも雰囲気ある空間をつくっています。
ツインベッドには、眠りを追及したシモンズのマットレスを使用。歴史を感じる年代物の梁が渡る天井も高く、心地良いひとときを過ごせそう。
畳・砂壁・雪見障子・坪庭・・・・京都らしさを感じる和の雰囲気が心に優しく馴染んでくるよう。部屋は約23平方メートルと、ゆとりの広さをもっています。
温泉情緒を味わえるプライベートバスが素敵
今回、一番気に入ったのはお風呂!黒タイルに真っ白な湯船がなんとも素敵。窓を開け放てば、坪庭を望みながら半露天風呂気分でバスタイムを楽しめます。
足を伸ばしてゆっくりと湯につかれば、温泉?と勘違いするくらいの極上のひととき。
さらに、普通のシャワーに加えてレインシャワーも設置され、そのやわらかなお湯の流れに、ゆったりと1日の疲れが洗い流されていきます。“京都に来てよかったぁ~”と、勝手に旅の醍醐味を噛みしめてしまいそうなほどのリラックス感を味わえました。
住所:京都府京都市南区東九条室町30-37
料金:1泊素泊まり1名4,700円~
CHECK IN/OUT:15:00/10:00
客室数:1棟貸し
アクセス:JRほか「京都駅」八条西口より徒歩5分
URL:https://tsumugi-kyoto.jp/
※2020年11月現在、新型コロナウイルス感染症対策のためサービス体制や料理提供方法などが通常と異なることがあります
[All Photos by (C)tawawa]