世界の年末年始、意外な過ごし方!オランダでは寒中水泳、コロンビアではスーツケースを引き回す

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Dec 31st, 2020

いよいよ2020年も終わりです。日本では定番の伝統行事を行って、粛々と新年を迎える人が多いと思いますが、この時期に海外の人たちは、どのように過ごしているのでしょうか?以前、TABIZINEでは「これで新年も良い年に!!運勢を上げる世界の年越し、お正月の過ごし方」を紹介しました。今回はまた別の国の不思議な伝統を、欧州と南米の国からそれぞれ2カ国ずつチョイスして紹介したいと思います。

パーティーのイメージ

欧州編

オランダでは寒中水泳を新年から行う

オランダの新年寒中水泳

(C) guruXOX / Shutterstock.com

オランダの冬を体験した経験がありますか?生まれて初めて筆者がオランダに滞在した時期は真冬で、アムステルダム中央駅で初めて屋外に出た時、残りの旅程が憂うつになりました。底冷えする寒さが、予想以上だったからです。

調べてみると、オランダの緯度は北海道の最北端、稚内よりも高いです。要するにオランダは北海道の北部くらいに寒い場所なのです。その前提を踏まえた上で、オランダの新年の「伝統行事」を考えると、その特異さがよくわかるかもしれません。

オランダでは新年に寒中水泳が行われ、健康に問題のない老若男女が、オランダのナショナルカラーの1つであるオレンジの帽子をかぶって、近場の海や湖に飛び込みに行くのです。長年の伝統というより、1965年から新しく始まった国民行事で、水泳クラブが始めた伝統を国民がまねしてやるようになった背景があるそう。

ちなみに湖でも泳ぐそうですが、筆者の記憶する限り、オランダの冬は川も流れの穏やかな部分は薄い氷が張っていました。恐らく薄氷をたたき割るように、泳ぐのかもしれませんね。

スコットランドでは火の玉を回す

スコットランドの火の玉

次はスコットランドの年末の伝統です。富山でも「御招霊(おしょうらい)」といって、お盆にたいまつを燃やして夜にぐるぐると回し、祖先の霊を迎える習慣があります。その伝統に背景の部分では、つながっているのかもしれません。

スコットランドの一部の地域(Stoneheaven)では、段ボールなどをまとめて自作した火の球を大みそか(Hogmanay)に回して、まちを練り歩き、最終的に燃えたままの火の球を港から海に投げ込みます。御招霊も最後は川にたいまつを投げ入れますから、最後も似ていますよね。

スコットランドでは船のレプリカを燃やしたり、たいまつを持って行列をしたり、とにかく火を見ながら大みそかを過ごす伝統が多いみたいです。

南米編

コロンビアではスーツケースを引き回す

スーツケース

南米のコロンビアでは、旅行媒体のTABIZINEで紹介したくなる、きっと旅好きがにっこりするような年末の伝統が続いています。

コロンビアには年明けとともにスーツケースを引いたり、旅行かばんを手に持ったりして、家の周りを一周する伝統があるのだとか。その理由は、「新年にたくさん旅ができるように」という願いを意味しているみたいです。場合によっては、全速力で走る人たちもいるそうで、速く走れた人ほど、次の年に旅行に出られる可能性が高まるといわれているのだとか。

別に旅がそれほど好きな人でなくても、周りから見ているだけで楽しめそうです。筋金入りの旅好きの読者は、日本でもまねしたいところですね。

チリでは大みそかにお墓に行く

チリの墓地
写真はイメージです。(C) Natalia Ramirez Roman / Shutterstock.com

最後はチリの恒例行事を紹介します。日本でお墓参りといえば、年明けかお盆が時期としてイメージできます。チリの一部の地域では、夕暮れ時から、その年に亡くなった大切な人のお墓で大みそかを過ごすのだとか。

ただ、チリといっても南北に国土は続いています。例えばフィヨルドの海岸線が続く、南米大陸最南端に近いプンタ・アレナスと、ペルーと国境線を共にした北端のアリカでは、文化はかなり違うはず。

大みそかをお墓で過ごすという恒例行事は、特にチリの中部、首都のサンティアゴから南に200kmほど行ったタルカというまちで色濃く伝わっているのだとか。

単なるお墓参りでは終わらず、食べ物や飲み物を持ち込み、小さな火をたいて亡くなった人と大みそかを過ごすといいます。実はこの行事、それほど古い伝統があるわけではなく、1995年に地元の家族が亡くなった父親と大みそかに過ごすために、墓地のフェンスを乗り越えたところから始まるのだとか。

タルカの墓地は、大みそかは閉鎖しなければいけない法律があったのですが、大みそかになってまで亡き父と会いたいとフェンスを乗り超えた家族の行動に現地の当局が感動し、法律を変え、大みそかに墓参りをできるようにしたのだそうです。

以上、世界のユニークな大みそかの過ごし方を紹介しました。ほかにもスペイン、コロンビア、エクアドル、フィリピンなどでは、年越しそばの代わりに12粒のブドウを食べる習慣があります。

挙げればきりがないほど、本当にユニークな年末年始の過ごし方が世界にはあるとわかります。ただ一方で、世界の人たちから見たら、正月におせち料理を食べたり、たこ揚げをしたり、お年玉をあげたりする日本の年末年始の過ごし方も、十分にユニークに見えるかもしれません。

[参考]
新年寒中水泳 – NLオランダ
New Year Swim – I amsterdam
コロンビアの年越し – メテジン 日本クラブ
Colombian New Year’s Traditions – IMPULSE
The people of the city of Talca, Chile spend the New Year’s Eve at the local graveyards – The Vintage News
Spongebob in Flames: The New Year’s Eve Effigy Burning in Ecuador – Atlas Obscura
Top 10 Strangest and Most Interesting New Year’s Traditions – Youtube
Stonehaven Fireballs Stonehaven’s way to greet the new year
7 AWESOME COLOMBIAN-NEW-YEARS TRADITIONS YOU WANT TO ADOPT THIS YEAR! – Culture curious

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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