世界で最も好かれる観光客“ベストツーリスト”のトップリスト上位によく入る日本人観光客。
もちろん盲目的に日本人観光客が世界中で歓迎されているわけではありませんが、それでもやはり世界的に日本人は「良い観光客」というイメージが強いようです。
そこで今回は実際に海外で観光業に携わっている現地人の声をもとに、日本人観光客が世界で好かれる理由に迫りたいと思います。
礼儀正しい・マナーを守る
「日本人は礼儀正しい」「マナーを守り、周囲への配慮ができる日本人」
こんなイメージが強いようです。
筆者が住むクロアチアでは、お土産店を営む知人たちや現地人ガイドたちからも「日本人観光客は本当に礼儀正しい。例えばお店の中の商品を誤って壊してしまった時なども、必ず“ごめんなさい”と何度も謝ってくれる。他の国の観光客は知らん顔してさっさと店を出て行ってしまうのに」「日本人観光客はどんなに急いでいても列に割り込まない。礼儀正しく、マナーを守る」など、良い評判をたくさん耳にします。
一方で日本人は入店時にお店の人に挨拶をする習慣がないためか「日本人は礼儀正しいはずなのに、どうして挨拶をしないんだろう?」と不思議がる声も。海外ではスーパーでもお土産屋さんでも、お店の人と目が合えば挨拶するのがマナー。慣れるまでちょっと気恥ずかしいかもしれませんが、しっかりと挨拶も心がけたいですね。
謙虚・理不尽なクレームが少ない
「日本人は横柄な態度を取る人が少ない」という意見もたくさん挙がりました。
「レジでお金を投げるように払う人にうんざり」「ホテルのスタッフに命令口調で話すお客さんにげんなり」という声をたくさん耳にしますが、「日本人はこういう態度を取る人は少ない」のだそう。日本ではスタッフや店員さんに対して横柄な態度をとったり、言いがかりをつけたり、無理難題を突き付ける、いわゆる「モンスタークレーマー」が問題となっていますが、海外では「日本人のお客さんは謙虚だ」「クレームが少ない」というイメージが強いようです。
海外でクレームを言う日本人観光客が少ないのは、言葉の問題もあるのかもしれませんが、ちょっぴり意外な意見でした。
静か
「日本人は大声で話さない。ホテルの室内でも騒がない」と物静かなイメージが強い日本人。
一方「日本人はあまりクレームを言わないけれど、“となりの部屋がうるさい”という苦情をよく口にするのは日本人。日本人は物音に敏感なのかな」という意見も。
いずれにせよ「騒がない静かな日本人」に良い印象を持つ人が多いようです。
ホテルの部屋をきれいに使う
日本人が好かれる観光客の大きな理由のひとつが「とにかくホテルの部屋をきれいに使う」という点。これを読んでくださっている方のなかにも、使ったタオルはバスタブへまとめておく、ホテルの備品はもとに戻す、ゴミはゴミ箱へ・・・など、ある程度片付けて部屋を去るという人がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
「ゴミはゴミ箱へ」なんて当たり前のようなことですが、客室中ゴミを散らかし放題で去る人も多いのだとか。
ポイ捨てをしない
ホテルの客室以外にも「日本人はいつもキレイに利用してくれる」と称賛の声がたくさん上がったのが観光バス。団体ツアーなどで利用するバスの運転手さんを中心に「日本人を乗せたあとは掃除がラクだ。他の国のお客さんを乗せた後はシートはもちろん、床にもゴミが散らばっていることが多く、いつも掃除が大変なんだ」という声が聞こえました。
「ゴミは床に捨てない」「自分のゴミは自分で処理する」当たり前のことですが、これを当たり前にできる日本人は世界中で高く評価されているようです。
以上いかがでしたか?
海外を旅した時「日本人」だという理由だけで、現地の人たちに親切にしてもらえた経験はありませんか? 世界的に「日本」に対して良いイメージを抱いてくれる人がたくさんいることは、とても有難いことですよね。今世界中の人たちが持ってくれている日本の良いイメージは、すべて私たちの先代が築いてきてくださったものです。
海外では意図せずとも、私たちひとりひとりの行動が“日本人”のイメージにつながります。世界に歓迎される日本人観光客のイメージ、これからも大切に守り続けてゆきたいですね。
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