Q. 海外旅行で買ったブランド品の偽物を持ち込んだらどうなる?
海外旅行中に見つけた魅力的なブランド品。しかし、その手頃な価格の裏には「偽物」の可能性が。個人で使用する目的であっても、これらの偽ブランド品を購入し国内に持ち込む行為は、違法となる場合があります。税関での取り扱いや、誤って偽物を購入した場合の対処法について、アディーレ法律事務所の神野由貴弁護士が解説します。
Q. 偽物を持ち込むと逮捕される?
A. 関税法により輸入が禁止されている偽ブランド品を国内に持ち込むことはできません。反復継続的に偽ブランド品を持ち込もうとしているなど、悪質な場合には刑事罰(※)の対象になり得ますが、純粋な個人使用目的であれば、刑事告発までされることはないでしょう。
※法定刑は、10年以下の懲役若しくは1,000万円以下の罰金またはその両方
たとえ犯罪行為があっても、逮捕はその必要性がある場合にしか行われません。個人使用目的で、組織的な犯罪であると疑われるような要素がなければ、逮捕されることはないでしょう。
Q. 罰金を取られる?
A. 刑罰としての罰金は上記のとおり1,000万円以下です。ただし、偽ブランド品が税関で見つかっても、罰金として、その場でお金を取られるようなことはありません。
Q.偽物だと知らなかった場合は?
A. 本当に偽物だと知らなかった(気づかなかった)のであれば、犯罪にはなりません。ただし、偽ブランド品であることが発覚すれば、没収されないまでも、所有権を放棄するよう説得されることはあるようです。なお、その場合であっても購入代金は返してもらえません。
Q.友人にお土産として頼まれた場合は?
A. 自分で使用する目的はなかったとしても、偽ブランド品と知ったうえで国内に持ち込むことは関税法違反になる可能性があります。
Q. 海外旅行で買うのではなくインターネット通販の場合は?
A. 個人使用目的であっても、海外の事業者から送付される物品が偽ブランド品であることが発覚すれば、税関による没収の対象となります。税関が購入代金を返金してくれることはありません。
ブランド品の偽物購入はリスク
海外旅行やオンラインショッピングでのブランド品購入は魅力的ですが、偽物を購入するリスクには十分注意しましょう。法律に違反する可能性があるだけでなく、結果として金銭的損失を被ることもあります。正規品の購入を心がけ、偽物と疑われるような商品は購入を避けることが最善の策です。
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アディーレ法律事務所
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