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【インタビュー】「脱いだら仲よくなれる」という自信は確信に/フォトグラファー ヨシダナギ

May 17th, 2016

【TABIZINEインタビューVol.16 フォトグラファー ヨシダナギ氏】

【インタビュー】「脱いだら仲よくなれる」という自信は確信に/フォトグラファー ヨシダナギ
(C) Maaya


「世界一ファッショナブルな民族」とも言われる、エチオピアのスリ族を撮影した写真集、『SURI COLLECTION』の発売記念個展を開催したヨシダナギ氏。アフリカや途上国で写真を撮りながら、アフリカ人の美しさや魅力を伝え続けるヨシダ氏に、撮影秘話や旅のスタイルについてお話を伺った。


大きくなったら、アフリカ人になれると思っていた

【インタビュー】「脱いだら仲よくなれる」という自信は確信に/フォトグラファー ヨシダナギ
(C) Maaya

ー現在のご活躍はアフリカ人への憧れがはじまりのようですが、どのようなきっかけがあったのですか?
子供の頃に「マサイ族が日本の民家で生活をし、日本人がマサイ族の民家で生活をする」というようなバラエティ番組を見たことがあり、そのマサイ族がとにかくカッコよくて。大きくなったら絶対アフリカ人になりたい! と思ったのがきっかけです。子供たちが仮面ライダーってかっこいい! あんなふうになりたい! と思うのと全く同じ感覚でした。

ー初めてアフリカに渡ったのは?
2009年です。まずエジプトに2週間、その後エチオピアに2週間滞在しました。エチオピアを選んだのは、できるだけ多くの少数民族に会いたかったから。お父さんにはメチャメチャ反対されましたね。それまでお父さんは海外に行ったことがなかったので。そんなわけで、2回目以降は黙って旅立ちました(笑)。

最初は、写真の撮影というよりは、ただ彼らに会いたかったんです。それまで周りの人にアフリカやアフリカ人が好きだと言うと全否定され続けていました。「何で飢餓や内戦で苦しんでいたり、エイズウィルスが蔓延するアフリカが好きなの?」と言われたこともあります。でも「私の好きなアフリカはそんなはずはない! 眩しい笑顔の人たちも絶対いるはずだ!」という思いを実際に確かめたくて旅しました。実際に素敵な人たちはたくさんいて、その証拠として彼らの笑顔を写真に収めたんです。

ー写真を本格的に撮ろうと思ったきっかけは?
ここ2年ですね。趣味でアフリカ人を追いかけて撮影してただけなので、写真家になりたいという思いは全くありませんでした。むしろ、アフリカ人からフォトグラファーという仕事をもらったと言ってもいいくらいかな(笑)。

彼らは想像以上にビジネスライク

【インタビュー】「脱いだら仲よくなれる」という自信は確信に/フォトグラファー ヨシダナギ
(C) nagi yoshida

ー少数民族の撮影で大変だったことはありますか?
彼らは見た目的には、思い描いていたそのまんま。ただ想像以上にビジネスライクだったのが最初はちょっとガッカリしちゃいました。だって、彼らはシャッターの回数をしっかり数えていて「○○枚撮ったんだから××円払え!!」って怒り出すんですもん。あまりにも観光客慣れしている姿に最初は距離感も感じてしまったのが本音です。

彼らはそんな温度感なんで、時にはすごく嫌な顔をされて写真を撮らせてもらえないことも何度かありました。とにかく私は英語が全くしゃべれなかったので、最初の頃は意思も伝えられず・・・。でも勉強は嫌いなんですよ(笑)。だから1回目の渡航で「英語話せなかった、写真撮れなかった、仲よくなれなかった」という悔しい思いがあったものの、英語の勉強をせずに半年後にまたアフリカへ。でもやっぱり話せるわけがなくて(笑)。電子辞書のおかげで多少はわかるようになりましたが。3回目の渡航でようやく、相手が言っていることはなんとなくわかるようになりましたが、私自身はあまり上手に話せませんでした。

仲よくなるために、“脱いで”みた

【インタビュー】「脱いだら仲よくなれる」という自信は確信に/フォトグラファー ヨシダナギ (C) nagi yoshida

ー“脱いで”撮影するスタイルのきっかけは?
子供の頃にテレビでマサイ族を見た時、「この人たちと仲よくなるには、同じ格好をすれば受け入れてくれるだろう」という根拠のない自信がなぜかありました。2012年カメルーンのコマ族に会った時「この人たちと同じ格好をしたい」とガイドに伝えてみたんです。最初はかなり驚かれましたが、押し切って脱ぎました。すると、それまですごく嫌な顔をしていた彼らが笑って踊り始めたんですよ。自信は確信となり、脱げばどの民族でもイケるんじゃないかと思って他の地域でも試し始めたんです。

ー服を着ていると部外者的な扱いされるのですか?
彼らは服を着る文化と着ない文化をちゃんと知っているんです。でも服を着ないことが彼らの正装だから、「服を着ることを自分たちに押し付けないで」と考えています。私が脱ぐことは、“羞恥心があるのに脱いだ” “自分たちの文化へのリスペクトを示してくれた”という誠意に伝わったようです。

ただ、集落ではそのまま裸で歩かせてくれましたが、近くの町に買い物へ行こうとしたら彼らはすぐ私の胸を隠したんです。「絶対に危険だから!」と。それは私が本来脱がない民族であり、脱ぎ慣れてない人が脱ぐということはいやらしい印象にもなりかねない、という考えなのだそう。「私たちの前では裸をさらしていいけど、他では絶対に見せちゃだめ」といくつかの部族で言われましたね。

「(ネットの写真などから)裸族が好きなくせに、何でオマエの乳首は隠すんだ」と指摘されることがあるんですけど、裸族の彼ら自身が「自分たちは隠さなくていい。これが正装だから。でもあなたは私たちにリスペクトを見せているのであって、他の人に見せる必要はないよ」と言われているからなんです。彼らが自分たちは少数派であることをよく理解しているのが、とても驚きでした。

Nao

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