ヘルシー意識の高いニューヨークでは、マクロビ、ヴィーガン信奉者が多数。オーガニック野菜、グルテン・フリー、乳製品の不使用の食品は、もはや一般的になってきています。
知人女性は、病気にならないためにはどうしたら良いか、健康な生活を過ごすには?と調べていて、マクロビ、ヴィーガン(健康、道徳等の理由から動物性食品を排する主義・思想)を知りました。実際に、肉、魚、卵、乳製品、白砂糖を断ち、グルテン・フリーなどヴィーガンのルールの食生活を守ったところ、疲れにくくなり、体調が良くなったそうです。体重は、6KGも減量したとか。「へえ〜」と感心するもののマクロビ、ヴィーガンは、禁欲的なイメージがして、一般人には近寄り難いのも事実。料理は見た目が茶色っぽくて綺麗でないし、薄味で、食事の楽しみや夢からかけ離れているように感じていました。
ところが、美しいスイーツが食べられるヴィーガン・カフェがあるらしく、誘われたので行ってみることに。
スイーツは、クッキー、マカロン、ストロベリー・ショートケーキ、カップケーキ、ティラミス、チーズケーキ、シナモンバンなど魅力的なラインアップ。
ショーケースを覗くと、ヴィーガンの禁欲的な雰囲気はありません。美味しそう〜。
平日のランチタイムを過ぎているにも関わらず、満席の店内。
ロースト・ジャパニーズ・パンプキン・サンドイッチ Roasted Japanese Pumpkin Sandwich
9.75ドル(税、サービス別)。
サンドイッチが得意なこの店の看板メニュー。ベイク+マッシュしたかぼちゃの甘みと、良く炒めた玉ねぎの甘みが、ライ・ブレッドのサンドイッチを引き立てています。
作り方はこちらにありました。
ティラミス Tiramisu
7.5ドル(税、サービス別)。
あまりの大きさにビックリ。2人でシェアしてもまだ多い分量。ヴィーガンのスイーツなのに、見た目も味も、一般のケーキと遜色ありません。
ストロベリー・ショートケーキ Strawberry Shortcake
6.25ドル(税、サービス別)。
スコーンのようなものに、イチゴ味のクリーム(豆腐のクリーム?)とイチゴを軽く煮たものが挟んであるこの店の人気デザート。こちらもボリューム満点で、2人以上でシェアすることをお薦めします。しかーし、クリームの強烈な甘さにビックリ。とても、ヴィーガン・カフェとは思えない開放的な甘さと量です。
スタッフに「いったい何の甘味を使っているの?」と聞くと、「アガペ(リュウゼツランの球根から取られる甘味料)よ」と。ふーん、アガペの味は知っているけど、アガペにしては甘過ぎでは?人工甘味料の味に感じますが(汗)。
アイス・ペパーミント・ティー Iced Peppermint Tea
3ドル
ペパーミント・ティーなのに、何故レモンが?ほんの微かに、ペパーミントの味がするので、オーダーミスではなさそう。
すべてのデザートは、自家製で、乳製品、卵、白砂糖不使用、とうたわれていますが、グルテン・フリーのものは限られています。
all desserts are baked in our kitchen. no dairy, egg, or refined sugar is used in our recipes.
上記マークがついているメニューが、グルテン・フリーにあたります。
「グルテン」とは、小麦や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質の一種で、それを摂取することでアレルギーや、セリアック病、腸疾患などが引き起こされることがある成分。
そのグルテンを排除することを、グルテン・フリーと呼びます。セレブたちの間では、グルテン・フリーの食事療法が人気になっています。
後ほどメニューを調べたら、この日に食べたものは、いずれもグルテン・フリーではありませんでした。サンドイッチ、パニーニ、ピッツァのメニューはすべて、グルテン・フリーのマークなし。
ということは、ゆるめのヴィーガン、およびヴィーガン気分のカフェなのでしょう。女性は野菜が大好きですから、ヴィーガンにこだわらなくても良いのかもしれません。
このお店のあるアッパーウエストと言えば、Jewish(ユダヤ系)の多いエリア。ユダヤ系と言えば、ユダヤ教の厳しい戒律に基づいたKosher(コーシャー)。こちらのヴィーガン・カフェ、ユダヤ教のラビ(ユダヤ教の聖職者)が監修したコーシャー・フードです。
コーシャーとは、「魚(限られた種類)、特殊な屠殺のみによる牛肉、羊、鳥肉など、野菜、果物その他ですが、加工される物に関してはその製造過程で混ざり物、身体に安全でないものなどが入らないように、厳しく管理されて加工されたもののみがコーシャの食品として認められます」(出典 日本ユダヤ教団)食事の制限があるものって、宗教に結びついている場合が多いですね。ヴィーガンのカップケーキ Baby Cakes、ヴィーガン・カフェのBlossomも同じ方の監修です。
また、ヴィーガンのスイーツ=ダイエットではないようです。今回のスイーツは、低カロリーではなさそうですので、太りたくない方は、少しだけにした方が良さそうですよ。
ニューヨークで流行のマクロビ、ヴィーガン、一般的になるには、まだ開発途中のような気がします。身体に良くて、見た目も美しく、美味しいお店を期待したいですね。
住 所:460 amsterdam avenue
@ 82nd street
営業時間:10am–10pm everyday
電話番号:212-362-2266
[All Photo by Sara Aoyama]