フラミンゴを、ではなく無数のフラミンゴでピンク色に染まる湖、ではないの? そう思う人もいるかもしれません。しかしフラミンゴがピンク色なのは、一部の湖に生息する、赤い色素を含んだスピルリナという藻を餌としているからなのです。
世界のフラミンゴ絶景とともに、フラミンゴの不思議な生態をご紹介します。
ボゴリア湖(ケニア)
数百万のフラミンゴで埋め尽くされるボゴリア湖。あまりの多さに一体どこだかわからないほどです。
ボゴリア湖には、いくつもの間欠泉があり、熱湯が湖に流れ込みます。そして生まれたアルカリ性の温かい湖に、フラミンゴの大好物である藻が繁殖するのです。
やってきたフラミンゴたちは、最初はさほどピンク色ではありません。
それが藻を食べ、だんだんとピンク色に染まっていきます。
鮮やかなピンク色に染まると、求愛のダンスが始まります。ダンスを通じて気の合ったもの同士がカップルとなるのです。
パートナーが見つかると、巣作りに飛び立ちます。彼らは、生涯同じパートナーと仲良く暮らすのです。
ナクル湖(ケニア)
夕暮れとフラミンゴが、湖に彩りを添えるナクル湖。息をのむほどの絶景です。
フラミンゴは、オスとメスが交替で卵を温めるなど、協力して子育てをします。生まれた赤ちゃんは当然、ピンク色ではありません。フラミンゴミルクと呼ばれる、赤いミルクを親が喉の奥から分泌し、口移しで与えることで、だんだんとピンク色に染まるのです。ちなみにこのミルク、オスからも出るんです!
ラグーナ・コロラダ(ボリビア)
赤の湖とも呼ばれるラグーナ・コロラダ。湖水の赤い色もまた、藻や微生物の色素によるものです。
フラミンゴの脚は、強いアルカリ性の湖水にも耐えられるようにできています。片足で立つ姿が有名ですが、水の中にいるときに体温を奪われないようにするためなのだそう。
湖水は、そのときどきの状況により、さまざまな色彩に変化します。まさに天然のパレット。フラミンゴがいないときもまた、絶景を魅せてくれるのです。
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