【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩

Posted by: 松元 春菜

掲載日: Aug 12th, 2014

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩

絶景ブームの火付け役ともいえる書籍「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」。新卒研修で製作したFacebookページが現在62万いいね!達成(2014年7月時点)。その中から人気の絶景を紹介した同タイトルの写真集は、新たに発売された「日本編」と合わせると合計35万部を突破する(!)ベストセラーとして話題に。著者の詩歩さんに世界の絶景や旅のエピソードなど、色々とお話を伺いました!

絶景を紹介しようと思ったのはなぜ?

―まずはじめに、世界の絶景シリーズ本を出そうと思ったきっかけを教えてください。

初めて海外に行ったのは、大学2年生の時でした。世界一周とかではなく、その時は行きたい国をいくつか自由に周るという感じで、もっとたくさんの国に行きたかったけれど、行けてないよね~という状態で就職を迎えました。2012年にインターネットの広告会社に入社して、そこの新卒研修でFacebookページをつくって「いいね!」の件数を競いましょうみたいなものがありまして・・・。

優勝すると焼肉が食べられるっていう(笑)。今思うとちょっと地味ですよね! でも焼肉食べたいから頑張ろうと。絶景をテーマにした理由はいくつかありますが、一番は思いつきでしたね。旅行が大好きなので、世界の絶景を掲載しようと即決。家に帰ってタイトルはどうしようかな~って考えて「死ぬまでに見たい」にしよう! と決めたのがFacebookページ立ち上げのきっかけです。

その研修結果では、一番になれました(笑)。ページをみてくれた方から色々な反応があって、絶景を紹介するのが楽しくなってしまい、その後も続けるように。そんな活動を見て下さった出版社の方が「本を出してみませんか?」と声をかけてくれたことから「死ぬまでに見たい!世界の絶景」の書籍が誕生しました。

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩

―本を出版して、Facebookとの反応の違いとかありましたか?

そうですね~。Facebookでは絶景の写真と、その場所について短い紹介文を掲載するだけで、「あ~、いつかここ行ってみたいな」と憧れで終わる形でした。でも書籍の方は、こんな絶景がありますよ……で終わりではなく、現実的にこの場所に行くにはどうしたらいいのか? 予算、旅行プラン、オススメの季節などガイドブック的に詳しい内容を紹介しています。この本を持って実際に「ここに行ってきました」という方もいらっしゃって、リアルな旅行に役立てたことが本を出して一番良かったな~と思います。この本を持って「行ってきました」という読者さんのコメントを見ながら、ひとりでめっちゃ興奮しています(笑)。

―書籍化にあたり、Facebookから絶景を64箇所選んでいますが、どういう基準で選定したのでしょうか?

本を作ろうという時に、Facobookの方には200箇所くらい絶景があがっていて。選んだ基準は色々あるのですが、ひとつは「いいね!」数が多いものから選んだということです。私の独断と偏見で選んだというよりは、ファンの方々と共感できる場所を一緒に選びましたよ~というスタンスが強いです。その他には、他の絶景本とはかぶらないような場所を厳選して、どこにも紹介されていない場所を紹介したいと考えていましたね。

日本編の絶景スポットは、こだわり凝縮!

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩

―新たに出版された「日本版」のほうはどのように絶景スポットを選んだのですか?

Facebookの方には日本版はあまりあげていなかったので、こちらは全部一からリサーチしています。一個、こだわりがありまして日本版は60箇所「全県制覇」しています! 絶景って多い県と少ない県がありまして、北海道、沖縄、長野とかは絶景がたくさんあるのですが・・・。一番探すのが大変だったのは「神奈川」「愛知」など程よく栄えている場所でしたね。鎌倉みたいに有名なスポットではなく、地元の方も知らないような絶景を紹介したかったので、情報がないというのが苦労しましたね。私だけではなく、編集の方やデザイナーさんも一緒に調べて下さって、厳選した上で神奈川は「仙石原」、愛知は夜光虫が美しくみえる「三河湾」に決めました。そういう意味では、「日本編」は、ものすごく手がこんでいます。是非、手にとって頂きたいです!

不動の人気イタリア「ランペトゥーザ島」

―夏のおすすめ絶景スポットは?

イタリア「ランペトゥーザ島」はFackbookで「いいね!」数がもっとも多かった絶景スポットです。海の透明度が高すぎて、船が浮かんでいるように見える写真が衝撃的。去年から不動の1位をキープしていて。本当に死ぬまでに行きたいポイントです! 是非、夏に行ってほしいですね。

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩
ランペトゥーザ島

あと、変わった場所だとノルウェー南部オッダにある岩盤「トロルの舌」です。約1000mの高さに舌のようにペロッとでている今にも折れてしまいそうな岩の姿は、かなり衝撃的です。冬の間は一面雪に覆われてしまうので、夏~秋にかけておすすめしたい絶景スポットです。

―身近な海外の絶景スポットはありますか?

表紙の絶景は「ニューカレドニア」の美しいビーチなのですが、比較的低予算で、4日間のツアーもあるのでお手ごろだと思います。白い砂のビーチとどこまでも続く青が「天国」と評されていますよね。有名ですが表紙なので、是非おすすめしたいです。

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩
ニューカレドニア

あとはハワイ島の「マウナケア火山」も行きやすいと思います。標高4205m、宇宙に一番近い場所といわれていて星がとってもキレイ。しかも車で山頂まで全部登れるので、手軽な絶景スポットです! ハワイだと海だけでしょというイメージですが、ついでに寄っておきたい場所ですね。

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩
マウナケア火山

週末だとアジア兼がメインだと思うので、ミャンマーの「パゴダ」という仏塔もおすすめです。日本では味わえない幻想的な朝の景色が絶景。カメラスポットの丘には世界中の写真好きが集まっています。

旅好きの方の原動力になってほしい

―詩歩さんおすすめの絶景本の楽しみ方を教えてください。

私がこの本で伝えたいことになりますが、仕事が忙しすぎて、旅行が大好きなのに行けないという方って非常に多いですよね。私自身も、全く旅に行けず、毎日夜中の3時に帰宅するような生活をしていました。そういうツライ時に、世界の絶景、日本の絶景を見てもらって少しでも「頑張ろう!」とみなさんの原動力になったらいいな~って思います。

例えば、寝る前にこの本を読みながら「次の休みはここに行くぞ」と考えて、もうちょっと頑張ろう! と気持ちをポジティブに切り替えてもらえたらうれしいです。

本をつくる時にこだわったのが、寝る前にゴロゴロと寝転がって読めるように工夫をしたことです(笑)。横になって本を読むと重さで手が疲れますよね。写真集は特に分厚い紙にたくさんのインクをのせて作るから結構重いけれど、この本は「とにかく軽い紙」「柔らかい素材」にこだわり、読む人にやさしい本を目指しました。読みながら寝ちゃって、そのまま絶景が夢に出てきたらいいな~という感じです(笑)。旅に本を持っていって、実際の景色と比べてみるのも楽しいかと思います。

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩

世界の絶景VS日本の絶景!

―今回、日本編を出版して第一弾との絶景の違いや魅力は感じましたか?

スケールの大きさではやっぱり世界編がすごいと思います。地平線の広さとか空の色の違いとか美しいです。一方、日本には四季があるので、その季節にしか見ることができない様々な表情が魅力です。時期によって見所が変わり、ひとつの国でここまで絶景がある国って、他にはないな~と思います。繊細な景色も日本ならではですよね。世界、日本、どちらも魅力的な絶景スポットがたくさんあります。

歴史好きがいつの間にか絶景ハンターに

―絶景、美食、買い物・・・。詩歩さんが旅に魅了される理由は?

学生の時に旅行をしていた時は、絶景とかあまり気にしていなくて。もともと旅をしたいと思ったのは「歴史」がものすごく好きだったからです。実は、歴女なんですよね(笑)。初めて行ったのはイタリア1ヵ月、その次はピラミッド観たいってエジプトに、その後マチュピチュに旅行しました。

日本では吉野ヶ里遺跡とか城跡とか。歴史ミステリーがあるところをベースに、日本を一周しました。正直、その時は絶景よりも歴史でしたね。歴史ある場所を訪れて、400年前に同じ場所で繰り広げられていた光景からイメージを膨らませて、自分とつながっているということに感動してしまうタイプです(笑)。
古代のロマンとか、そういうものに魅了されて旅をしていましたね。歴史好きから、いつの間にか「絶景」という発想が生まれてFacebookページ企画に変わっていました。

歴史的な絶景も本書の中でいくつか紹介しています。鳥取県の「三徳山三佛寺投入堂(みとくさんさんぶつじなげいれどう)」は、平安時代に建設されたといわれていますが、建築方法もいまだ謎で、誰が何のためにつくったのか分からないというミステリアスな場所です。
また日本最大のミステリーといわれているのが、沖縄県「与那国島の海底地形」です。海底遺産ではないか?という説があったり、謎が多い絶景スポットです。そういう目線で絶景を楽しむのも面白いですよね。

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩
三徳山三佛寺投入堂(みとくさんさんぶつじなげいれどう)

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩
与那国島の海底地形(右)

Facebookとは違い、書籍では実際に行くことができる絶景スポットを集めているので、この本を通じて旅行に行きたい!と感じて、実際にアクションを起こすきっかけになれたらうれしいですね。

【インタビュー】『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』著者/詩歩

——————
詩歩(Shiho)プロフィール

1990年生まれ。早稲田大学卒。インターネット広告代理店の新卒研修で作成したFacebookページ「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」が62万いいね!を突破。2013年8月に同名書籍化し、Amazon総合ランキング1位、オリコン2014年度写真集ランキング1位を獲得するなど話題に。2014年7月に2作目となる「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編」を出版。こちらもAmazon総合ランキング1位を獲得し、シリーズ累計35万部を超えるベストセラーとなっている。 (2014年8月時点)

死ぬまでに行きたい!世界の絶景 Facebookページ
書籍「死ぬまでに行きたい!世界の絶景」
書籍「死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編」

PROFILE

松元 春菜

HARUNA ライター

ライフスタイル、旅行、美容・健康、ファッションなどのコラム記事を執筆しているライターのHARUNAです。両親が貿易雑貨の仕事をしており、幼少の頃から買い付けに同行してヨーロッパなど各国を周りました。その影響で海外旅行が大好きに。文章を書く仕事を経て、現在はフリーのライターとして活動中。海外旅行が生きがいで、特にハワイとフランス好き。各国の楽しいニュースをお届けしたいと思います!

ライフスタイル、旅行、美容・健康、ファッションなどのコラム記事を執筆しているライターのHARUNAです。両親が貿易雑貨の仕事をしており、幼少の頃から買い付けに同行してヨーロッパなど各国を周りました。その影響で海外旅行が大好きに。文章を書く仕事を経て、現在はフリーのライターとして活動中。海外旅行が生きがいで、特にハワイとフランス好き。各国の楽しいニュースをお届けしたいと思います!

SHARE

  • Facebook