ヨーロッパを旅行していると、見るからに古そうな家屋、教会と飽きることなく建築見物を楽しめますよね。今回はポルトガル東部にある小さな村、モンサントの紹介です。この村の特徴は、大きな大きな石が村中に点々としている事。一体どういう事なのでしょうか?
どこに位置している?
ポルトガル東部のちょうど真ん中あたりに位置するモンサント。スペインとの国境にも非常に近いです。
大きな石に囲まれた村
標高約758mに位置するモンサント。モンサントには村のいたるところにごつごつした大きな岩があります。なかには、200tの重さをもつ岩もあるそうです。石は、地中のマグマが雨で冷やされ固まったものが、地上に表れたものだと言われています。
山の上にある集落は、中世の城砦の高い塔が目印となって遠方からでも一目で分かる事から、敵から身を守る戦略地として大きな役目を果たしたようです。陸続きのヨーロッパを旅していると、あちこちに要塞がありますよね。
(Visit Portugalより)
岩と共存する人々
岩に覆われたその特異な姿から、聖なる山として人々に崇められていたそうです。地元の人は特殊な地形をそのまま残そうと、なんと岩取り壊さずにあちこちに家を建てました。
岩に囲まれて生活するというのは我々日本人には想像がつきづらいですが、きっと地元の人にとって巨大な岩は歴史と現在をつなぐ大切なシンボルなのかもしれませんね。ヨーロッパの友人宅を訪れていつも感心させられるのが、古いものを大切にする心です。
「最もポルトガルらしい村」
1938年に「最もポルトガルらしい村」に選ばれたモンサント。岩と共存という、簡単ではない生活様式を受け入れた村の住人の人たちの信念が伝わったのかもしれませんね。
小さな村にこそヨーロッパの歴史が詰まっている?
どれだけ回数を重ねても「あそこにも行きたい!」と次々に行きたい場所が増える魅惑の大陸、ヨーロッパ。パリやロンドンなど、大都市巡りももちろん楽しいのですが、ごく普通の生活を送ってきた市民や農民の生活に触れてみたい、そんな方にはモンサントのような小さな村巡りをおすすめします。生活の知恵、地元の人がずっと守ってきた多くの「宝物」に出会えるはずです。
日本とも関わりの深いポルトガル。モンサントで「ポルトガルらしさ」を思いっきり味わいたいです。