日本のガイドブックでは紹介されない、メキシコの神秘スポット5選

Posted by: Miho Nagaya

掲載日: Feb 10th, 2015

ピラミッド以外にもたくさんある、知られざるメキシコのパワースポット

メキシコといえば、世界遺産のテオティワカンはじめとするピラミッドの数々が有名ですが、それ以外にも知る人ぞ知るパワースポットがあるんです! ここでは、あえて日本の観光ガイドブックには登場しない、パワースポット5つを集めてみました。

地下鉄イダルゴ駅の奇跡のマリア像

1997年、メキシコシティの中心部にある地下鉄のイダルゴ駅で発見された現象は、たちまち全国から注目されるようになりました。同駅通路の石のタイルに染み付いた天井からの水滴がたまった水たまりの跡が、メキシコの守護聖母である褐色のマリア、グアダルーペの形となっていたためです。このマリア像は、水を拭っても拭ってもマリア像の形となって浮き出るために、騒がれることになったのでした。

https://www.youtube.com/watch?v=LAlNaQrn91M
マリア像が色んな場所に浮かびあがる事象をとりあげた映像集。そのなかに、地下鉄イダルゴ駅のグアダルーペの姿もとりあげられています。

このマリア像を拝むために、花や蝋燭を捧げる人が後を絶たず、数万人が連日訪れていました。この混乱を避けるために、マリア像が浮き出た床の部分を削り取ったものが、イダルゴ駅の脇に設置された祭壇に飾られるようになりました。


地下鉄イダルゴ駅前に設置された祭壇を紹介するビデオ。

実際のグアダルーペの出現も、1531年にマントに浮かび上がった像がきっかけとされているので、この地下鉄内のグアダルーペ出現についても、メキシコの人々の間で、「奇跡だ!」と讃えられるようになったのでしょう。

グアダルーペ誕生物語や、メキシコでの信仰については、TABIZINEの記事『メキシコ「褐色のマリア」を彩る数々の祭壇』をご覧ください。

日本のガイドブックには決して紹介されない、メキシコの神秘スポット5選
グアダルーペ寺院内には、聖母が浮かび上がったマントが展示されている! (C)Miho Nagaya

不可能を可能にする聖人を祀る教会

マリア像が出現した地下鉄イダルゴ駅の目の前にある、サンイポリト寺院は、キリスト・カトリック教徒の聖人、サン・フーダス・タデオ(新約聖書に登場する、イエス・キリストの弟子、タダイ)を祀る教会です。

サン・フーダスは、名前がイエスを裏切ったユダと似ているのを理由に、カトリック教会では、重要視されていなかった聖人なのですが、メキシコでは、低所得者層の守護聖人として信仰者が多くいます。不可能を可能にする、奇跡を呼ぶ聖人ということから、商売繁盛の神としても知られています。

毎年10月28日は サン・フーダスの生誕日であり、数万人の信者がメキシコじゅうからやってきます。また、毎月28日の記憶日にも、サン・フーダスの像を掲げて参列する人々が後を絶ちません。周囲は大混雑するので、地下鉄を含む公共機関の駅や道路も閉鎖されます。
教会に入れば、その人々の熱気に圧倒され、ただならぬオーラを感じることでしょう。

魔法使いたちが住む密林、カテマコ

メキシコシティから車で約8時間、メキシコ湾に面するベラクルス州南部の密林地区カテマコは、魔法使い、呪術師が多く住み、祈祷や除霊を行っています。

毎年3月の最初の金曜日には、闇の世界の悪魔たちと、舞踏や祈祷などで交信する「黒ミサ」が行われます。『Festival de brujos(魔法使いたちのフェスティバル)』として、盛大に祝われます。いかがわしい気もするのですが、そう思うなかれ。ベラクルス州観光局もプッシュするベラクルス観光行事のひとつとなっているのです。

超常現象が起こり続ける魔境、ケレタロ

メキシコシティから車で3時間ほどのケレタロ州は、世界遺産にも登録される美しいコロニアル都市であり、日本のガイドブックでも紹介されている場所ですが、超常現象の起こる場所としても有名なんです。しかし、そいういった逸話はガイドブックには紹介されていません。

■十字架型の刺が生える樹
ケレタロ州ケレタロの中心街から徒歩10分ほどで着くサンタクルス寺院に、
「十字架の樹( el árbol de la cruz)」という十字架の形をした刺を持った樹が生えています。言い伝えでは、1697年にフランシスコ会のアントニオ・マルヒリ・デ・ヘススという修道士が、巡礼の長旅に使っていた杖を、この寺院のある場所に釘で打ち付けてから、樹が生えてきたとされています。ミモザの一種とされていますが、花も葉もほとんどつけていない樹で、十字架型の刺をもっているものは非常に珍しいのだとか。

【メキシコのニュース番組による映像】

■奇跡の水トラコテ
1991年、ケレタロ州の小さな村、トラコテの荘園のオーナーとなった男性が、飼っていた病気の牛に井戸の水を飲ませていたら、調子がよくなったことに気がつき、その水が万病を治すと話題になりました。その水を飲んで回復したという人が続出。エイズや癌も治すとされ、全世界から人々がやってきて、奇跡の水を飲むために連日数千人の行列ができました。あのマジック・ジョンソンも、その水を飲むためにわざわざ駆けつけたのだとか。ケレタロ州自治大学の化学科が、井戸の水を分析したところ、その水には特別な成分は入っていなくて、「ただのきれいな井戸水」という結果がでました。
そして2004年にオーナーだった男性は癌で亡くなり、「奇跡の水」のことを覚えている人も少なくなりました。現在はその荘園を別のオーナーが管理し、建物の一部を奇跡の水の報道記事を展示した資料館としているそうですが、一般公開はしていません。

■UFO出現率が高い巨岩
メソアメリカで最も古い先住民族のオトミ・チチメカ(ニャニュとも言う)が拠点とするのが、ケレタロ州トリマン行政区にある、山のような巨岩、ペニャ・デ・ベルナルの麓。ユネスコの無形文化遺産にも登録される、命の根源である水を讃える儀式や祭りが年に一度行われる同地区ですが、UFO出現率が高いスポットとしても知られています。

超常現象の宝庫メキシコシティ

ケレタロの項でもUFOについては紹介しましたが、メキシコ国内で最もUFOが訪れる場所が、首都で人口2千万人の大都会、メキシコシティ。かつてアステカ帝国の神殿があった重要な場所でもあり、スペイン征服によって破壊された残虐の歴史を抱えていることから、心霊現象がよく起こることでも知られています。

メキシコシティへのUFOの来訪は1991年代が最も多かったそうですが、それ以降も日食の時期にUFOがやってくる機会が多いのだとか。とくに話題を集めたのが、1997年に、UNAM(メキシコ国立自治大学)の学生が、ローマス・ボスケ地区で撮影したビデオでした。そこには、ビルの合間を浮遊するUFOのような物体が映っています。あまりにはっきり映っているので、「特撮なのでは?」と、ハリウッドの特撮映像監督やスタッフが現場へ訪れて再現しようとしましたが、これだけの特撮をするのは、かなりのスタッフと準備が必要なことから、学生が撮るのには難しいことだと証言。

さて、真相はいかに?

【ハリウッドの特撮部隊がUFO出現場所で検証しているときの映像】
https://www.youtube.com/watch?v=CAsPh8J992A

最後にメキシコ版『ムー』のような雑誌『Muy Interesante』の表紙を紹介してこの記事を締めたいと思います。

この雑誌、メキシコのどんな場所でも置いてあるので、愛読者が多いと思われます。

メキシコの人たちって、けっこう神秘好きなのではないでしょうか? ロマンがあって良いことです。科学では解明できない、不思議なパワーが満ちるメキシコへ、ぜひ遊びにきてください。

PROFILE

Miho Nagaya

長屋美保 ライター

メキシコシティの路地裏から見た生のラテン文化や社会を追い続けるフリーライター兼なんでも屋。雑誌、WEB、ラテン圏アーティストのCD解説、映画、コンサートのパンフレットなど、メキシコを中心としたラテンアメリカの記事を日本の媒体に執筆するほか、リサーチやスペイン語⇔日本語翻訳も行う。情報サイトAll Aboutのメキシコ公式ガイドでもある。

メキシコシティの路地裏から見た生のラテン文化や社会を追い続けるフリーライター兼なんでも屋。雑誌、WEB、ラテン圏アーティストのCD解説、映画、コンサートのパンフレットなど、メキシコを中心としたラテンアメリカの記事を日本の媒体に執筆するほか、リサーチやスペイン語⇔日本語翻訳も行う。情報サイトAll Aboutのメキシコ公式ガイドでもある。

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