東ヨーロッパの国アゼルバイジャン。あまり耳にしたことのない国かも知れません。でも、実は今、アゼルバイジャンが第二のドバイになる可能性が浮上してきているのです。今日は、過去と未来の融合が美しい、アゼルバイジャンの首都「バクー」をご紹介します。
カスピ海を臨む「風の街」バクー
アゼルバイジャンの首都バクーは、ペルシャ語で「風の街」の意味。人口200万人の住む大都市です。バクーは外側を城壁で囲まれ、その内側に旧ソ連時代の建物、さらにその内側に旧市街地が残されています。主要言語は、アゼルバイジャン語。まずは、バクーの観光名所を見てみましょう。
左手は「乙女の塔」と呼ばれる、高さ30mのタワー。街のシンボル的存在で、2000年には世界遺産に登録されました。元は前5世紀に建てられましたが、現在残されているのは12世紀頃に復元された建物。中は小さな博物館があり、屋上からはバクーの様子を一望できます。そして右手は「ハジンスキー邸」。1912年建設のゴシック様式が美しいマンションですが、現在は内側の見学はできません。
古い街並みに光る、現代的な建物もバクーの魅力です。こちらはFlame Towers(フレーム・タワーズ)と名付けられた、190mのビル群。ホテルやアパート、オフィスなどが入居しています。
ゴシック建築の建物が、ロマンチックな雰囲気を醸し出すバクー市内。夜はライトアップされ、より一層美しさが際立ちます。
(C)Magdalena Paluchowska/Shutterstock.com
噴水広場から続くメインストリート、ニザミ通りはブランド品のショップから日用品を扱うお店まで立ち並ぶ賑やかな場所です。
こちらはアゼルバイジャン名物「ドルマ」。羊肉、お米、タマネギのみじん切りを葡萄の葉で包んだ料理です。葡萄の葉の他に、パプリカやナスなどに詰めることも。
「第二のドバイ」の理由
バクーでは、現在「ホワイトシティ」と名付けられた都市開発が進んでいます。バクーは、19世紀後半から20世紀初頭の間、油田地帯として大きく発展したと同時に、環境汚染が進み「ブラックシティ」と呼ばれたこともありました。そんなイメージを払しょくし、名実ともにエコロジーな都市になろうという計画なのです。
バクーの特徴は、なんと言っても過去と未来の融合にあります。古い街並みを保存しつつも、このような近代的デザインの建物の建設にも積極的。
こちらはホワイトシティ計画の一環である、ウォーターフロントホテルのイメージ。
こんな独創的なデザインも。こちらはアートパビリオンとして使用される予定だとか。
オフィスが入居する予定のこちらのビルは、イギリス発祥の建物環境性能評価システムBREEAMを取得します。ホワイトシティが目指すのは、社会的、経済的、そして環境的に持続可能な発展。ただ奇抜なだけで終わらない、未来の都市と言えそうです。
今年6月には、ヨーロッパ競技大会というスポーツの祭典が開催されるバクー。多くの人で賑わうことが予想されますが、外務省によるとバクーは「十分注意」の情報が出ています(2015年2月現在)。渡航の際は、外務省海外安全ホームページを確認して下さいね。
[Photo by Shutterstock.com]