「職人の町」京都。
伝統と歴史を誇るいにしえの都には長年人々に愛され続けている様々な老舗が存在します。そんな町で、こだわりの台所用品を探してみませんか?
一つ一つ丁寧に職人さんが丹精込めて作った道具たちは、見た目も大変美しく、きちんと手入れしながら毎日の生活に取り入れるだけで不思議と「丁寧に生活をしている」ような豊かな気持ちにしてくれます。とっておきの京都土産としてもぴったりな、老舗店の台所用品を8個お伝えします。
「市原平兵衞商店」お箸
(C)楽天市場
日本人の毎日の食卓に欠かせないお箸。江戸時代に創業して以来、250年以上もの間お箸作り一筋の「市原平兵衞商店」。店内には400種類以上、調理用から食事用まで様々な種類のお箸が並んでいます。おすすめは7代目の店主が考案したという、希少なすす竹を使用した「みやこ箸」。繊細かつ上品ながら、とても頑丈。長くお付き合いできるお箸として、多くの人々に愛されています。
「辻和金網」コーヒードリッパー
創業80年以上の京の老舗金網細工店「辻和金網」。平安時代より伝わる技を受け継いだ職人さんたちが、ひとつひとつ手作りで編み上げてゆく金網細工は、一般家庭から料亭まで幅広く愛され続けてきました。茶こし、焼き網、水切りなど様々な網細工が揃いますが、おすすめしたいのが手編みコーヒードリッパー。和モダンなデザインのドリッパーが、毎日のコーヒータイムをより豊かにしてくれます。
「桔梗利 内藤商店」たわし
文政元年(1818年)創業の棕櫚製品専門店「桔梗利 内藤商店」。日本人の生活に古くから寄り添ってきた棕櫚(シュロ)と呼ばれる植物を使った生活道具を、200年近くもの間作り続けてきました。様々なサイズの箒やボディーブラシ、マットなど、色々な生活用品が並ぶ中、特に愛されているのがたわし。京都の伝統工芸人や料理人にもこのたわしの愛用者が多く、遠方からわざわざ買いに来る人もいるのだとか。内藤商店の棕櫚製品を使って、やさしくゆっくり丁寧に、日々の汚れを落としたいですね。
「白木屋」まな板
(C)LADER
京都府福知山市に40年以上店を構える、まな板の専門店「白木屋」。丹後・但馬の山中から切り出した木から1枚1枚丹精込めて作り上げられるまな板は、1枚を作るのになんと7年~10年もの歳月がかかるのだとか。手間隙掛けて作られた最高級のまな板はすべすべで、何度もなでたくなる触り心地。しっかりと大事にお手入れをしながら使うと、最低30年はもつそうです。長い間お付き合いのできる、台所の特別な存在となってくれそうですね。
「有次」料理包丁
「京都の台所」と呼ばれる錦市場商店街に店舗を構える「有次」。様々な種類の料理包丁をはじめ、お鍋やおろし金、にぎりばさみなど、たくさんの調理器具が揃います。「一生使ってもらえるように」と職人さんの技と真心の詰まった有次の台所用品は、贈り物にもぴったりです。
「京都三条 竹松」竹かご
(C)京都三条 竹松
創業70年以上の竹細工店「京都三条 竹松」。良質な竹を使用したお箸、しゃもじ、お盆などの台所用品から、竹かごバッグや小物入れなどの雑貨まで、幅広い竹用品が揃います。おすすめは凛とした上品な存在感漂う竹の盛りかご。くだものやお菓子を入れて台所の片隅に飾りたいですね。素朴で懐かしさが溢れる竹のお弁当箱もおすすめです。
「清課堂」の急須
(C)清課堂
天保9年(1838年)創業の「清堂」。現存する日本で最も古い錫工房として知られており、錫製のものを中心に、銀製、銅製など様々な金属工芸品を手がけています。おすすめは純銀、あるいは錫製の急須。使い込むほどに味が出て、百年経っても使い続けられる急須はまさに一生ものです。
「開化堂」の茶筒
(C)facebook/開化堂
創業明治8年の老舗茶筒店「開化堂」。日本最古、そして唯一現存する手作り茶筒店として知られています。銅、ブリキ、真鍮の3種類ある茶筒は、どれも職人さんの熟練した技法によりひとつひとつ手作りされています。蓋をのせるとそれ自身の重みで、すっと蓋が落ち完全な密封状態になる茶筒。その品質はもちろん、しっとりとしたなめらかな手触りや、伝統とモダンが融合したデザインも開化堂の茶筒ならでは。使い込む程に味のある色へと変化してゆきます。茶筒の他にもスパイスやコーヒー豆を入れたり、色々な使い方が楽しめます。
しっかりとお手入れをすることにより、使い込んでいくうちに味もでてくる道具たちは一生もの。そんな老舗店の台所用品を探して京都を巡る旅。きっと、とってきの逸品が見つかるはずです。