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中世で時が止まったようにたたずむ、摩天楼の町「サン・ジミニャーノ」

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高い塔は立ち並び、そして時が止まった

中世の摩天楼の町「サン・ジミニャーノ」

さて、この町の特徴でもある何本も立ち並ぶ高い塔。これももちろん中世に建てられたものです。現在、14本残っていますが、13世紀には72本もの塔が建っていたそうです。

では、人々はなぜこのような高い塔をたくさん築いたのでしょう?

その当時、高い塔を建てることは、富の象徴でした。塔自体に特に機能はなく、その家がどれだけ多くの財産を持っているか、それを顕示するために、より高い塔が建てられました。重要街道の中継地として、豊かであったこの町も、家々が競い合うようにして、それぞれ高く美しい塔を建てたのでした。

中世の摩天楼の町「サン・ジミニャーノ」

しかし、時代の流れとともに、ただの飾りで不要であった塔は、その劣化につれ、そのほとんどが取り壊されていきました。では、なぜこの町に塔は残されたのでしょうか。

サン・ジミニャーノの町は、14世紀、フランチジェーナ街道が使用できなくなったこと、伝染病の流行と町の内部抗争により一気に衰退していきました。その急激な衰退で、塔を崩す経済的余裕すらなく、結果としてその美しい塔が残ったのです。

繁栄と衰退の幻影が見せてくれるもの

中世の摩天楼の町「サン・ジミニャーノ」

トスカーナの美しい緑の丘の上に、まるで蜃気楼のように幻想的にたつ塔の町。この小さな町に、当時は72本の塔が建っていたというのですから、高い塔で覆われてきっと空など見えなかったことでしょう。豊かさを顕示することにやっきになった人々は、いつのまにか本当の豊かさを見失ってしまったのかもしれません。それはちょうど現代の摩天楼で生活する人々が空を見上げることをいつしか忘れてしまうように。

その繁栄と衰退が残した幻想的な風景は、ただ美しいだけではない、大切な何かの軌跡を見せてくれている気がします。

[All Photos by Ryoko Fujihara]

藤原亮子

Ryoko Fujihara フォトグラファー&ライター
イタリア・フィレンツェ在住フォトグラファー&ライター。東京でカメラマンとして活動後、’09年、イタリアの明るい太陽(と、おいしい食べ物)に魅せられて渡伊。現在、イタリアで撮影・執筆活動をしつつ、更なる美しい景色を求めてカメラ片手に旅を続けている。

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