こんにちは、時空の旅人です。TABIZINEの時間を遡り、今までのヒット記事を巡る旅をしています。今回は2015年02月08日に紹介された、「ポーランドの秘密の花園」をお伝えします。 |
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あるひとりの女性が咲かせた花が街中に広がりました。
南部ポーランドに位置する小さな村「ザリピエ」。ポーランド国外ではまだ知る人はほとんどいないというこの小さな田舎の村は、まさに秘密の花園! 村中の至る所に花柄が溢れ、まるで絵本の世界のような風景が広がっています。
ザリピエでフラワーペイントが始まったのは100年以上前、19世紀のことだと言われています。毎年寒さがとても厳しいザリピエ。暖炉の煙のせいで、せっかくの白い壁も冬が終わるとボヤっと黒く。ザリピエの冬は、暗く厳しい寒さが続くのです。
「1年中色とりどりのお花が咲いているといいのに・・・」と、煤けた壁を見ながら思ったのでしょうか。この村に住んでいたあるひとりの女性は、なかなか落ちない頑固な壁の煤汚れを、可愛らしい花柄模様でなんとも可憐に隠してしまいました。
可愛らしいフラワーペイントに彩られた彼女の家はすぐにうわさとなり、それを見た村人たちはこぞって絵筆をとり、思い思いに自分たちの家の壁にお花を咲かせてゆきました。
現在に至るまで各家庭により少しずつデザインの異なるフラワーペイントは、母から娘たちへと大切に受け継がれてきました。
至る所にフラワーペイントが溢れる村
壁、キッチン、家具、雑貨など至る所にカラフルなお花が咲き乱れるお家。花柄は家の中を飛び出して外壁、家畜小屋、橋、井戸など、どんどん村中に広がってゆきました。
フラワーペインティングは民家だけにとどまらず、教会や公園など、村中にあるほとんどすべてのものに花が咲き乱れています。
まるで童話の世界から飛び出してきたような素朴な風景と、可憐なアートが見事に調和したザリピエ。こんな可愛らしい村がこの世界に存在するということを、こっそり自分だけの胸にしまって秘密おきたいような、誰かに話したいような・・・そんなうっとりした気分にさせてくれる秘密の花園。できることなら近い将来、世界中にその名が知れ渡ってしまう前に訪れたいですね。
[Photos by Shutterstock.com]
執筆者:小坂井 真美