熊本地震。大きな余震が相次ぎ、避難生活を送る方の数は一向に減りません。
辛い状況にいる方に何と声をかければいいか、迷う方々も多いのではないでしょうか。内閣府の「被災者のこころのケア 都道府県対応ガイドライン」をもとに、どんな言葉をかければいいか、そして言ってはいけない言葉とは何か、まとめてみました。
心に寄り添うには、こんな言葉を
まずはどんな言葉をかければいいか、具体的なフレーズや言葉の使い方を3つ見てみましょう。
眠れない、イライラする、不安でたまらないなどの反応が続くと、「自分は災害のせいでおかしくなってしまったのではないか」と考える方が多いそうです。しかし、「おかしくなってしまった」と考える所まで含めて、これらの多くは正常な反応。被災者の方に「みんなそうです、普通のことなんですよ」とはっきり伝えましょう。
災害に遭ったときに人はどうなるのか、正確な情報を提供することで、相手の不安を軽減することができるそうです。
特に今回の熊本地震がそうですが、本震後も大きな地震が続くことが多々あります。土砂崩れなどの二次災害や、空き巣被害なども心配です。
そんな状況下で少しでも安心してもらうため、「今ここ」は安全ですよ、と丁寧に伝えましょう。側に寄り添い、目を見て、普段よりゆっくり話しましょう。
被災者の方が普段から使っている言葉で話しかけると、より安心感を与えることができるとのことです。目線を下げ、優しい言葉遣いで話しかけましょう。
続けて、かけてはいけない言葉を3つ挙げます。
こんな言葉は、被災者にかけてはいけない
身近な人を亡くした被災者の方は、生き残ったことへの罪悪感を抱えている場合があります。「助かってよかった」のひと言は自責の念を引き出してしまうので、避けるようにしましょう。
発災時の状況について聞きだすことは、マイナス以外の何物でもありません。ただでさえ本人の意思と関係なく、心的ストレスから当時の出来事がフラッシュバックしてしまうのです。気軽に触れてはいけません。
様々な心身の不調は時と共に自然に解決するそうですが、それがいつかは当人にしかわかりません。「大丈夫ですよ」「すぐ忘れられます」といっても、無責任な発言に聞こえてしまいます。
被災された方のストレスは、3か月以上の長期にわたって続くこともあるようです。「もうそろそろ落ち着いた頃でしょう」と周りの人が言い出し始める時期の方が、被災者の方には辛いかもしれません。
一日でも早く、元の生活が戻りますように。これこそ無責任な発言に聞こえるかもしれませんが、お祈りしています。
[内閣府「被災者のこころのケア 都道府県対応ガイドライン」]
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