ピラ砂丘(Dune du Pilat)はアキテーヌ地方のアルカッション湾の入り口にあります。標高100mを超えるヨーロッパ1高い砂丘。ここから眺める景色は美しく訪れる人々を魅了しています。日本では馴染みのないこのピラ砂丘、写真とともに訪れてみましょう。
ピラ砂丘とは

縦に約3000m、横に約600mの大きさのこの砂丘は、どこまでも広がる白い砂が印象的。どこか神秘的な雰囲気に包まれています。3000年という歴史のせいでしょうか。ピラ砂丘は一筋縄ではいかないスケールの大きさが感じられます。

この砂丘に上がるのには、長い階段を登ります。標高が高いので、かなり圧倒されます。高所恐怖症の方はご注意。また風がきつい時は砂が舞うので、階段を登るのは一苦労です。
ピラ砂丘からの眺め

ピラ砂丘は森と海に挟まれています。目の前に森が広がり、反対側を向くと青い海が広がる稀代な景色。森の風景は俯瞰図のように見ることができます。美しい景色だと感じる反面、どこか呑み込まれてしまうのではないかという恐怖感も少なからず感じさせられる眺めです。

アルカッション湾の海は穏やかで、どこまでも青い海が広がります。ピラ砂丘では、誰しもが砂丘に腰を下ろし、この海の景色をじっと眺めています。美しい海や森の景色を前に、自然の偉大さに心が包まれ、人々は無心で、ただただピラ砂丘で時を過ごしているようです。自然の穏やかなエネルギーに心が満たされるようです。
形を変え続ける堆積「バン・ダルカン」

ピラ砂丘から砂の跡のような島がみえます。こちらはバン・ダルカンという白い砂の堆積。潮の満ち引きで常に形が変わる堆積なのです。様相が常に変化するので、まるで生き物のよう。自然の偉大さが感じられています。このあたりの海は綺麗で牡蠣の養殖もおこなわれているそうです。冬にこの地を訪れると、新鮮で美味しい牡蠣を味わうことができますよ。
動き続けるピラ砂丘

ピラ砂丘は4000年かけて砂が堆積し続けて現在の形になりました。しかし、驚いたことにこの砂丘は今も動き続けているのです。卓越風や海の風の影響で、森の方角へ、毎年1m〜5m移動し続けているのだそう。この砂丘の移動を止めようと、研究は続けられているそうですが、現在も有効な手段はみつけられていないそうです。移動する砂丘。人間の想像力を超えた自然のスケールの大きさをみせつけられているようです。
ピラ砂丘は美しい眺めだけでなく、普段私たちの生活からは考えられない自然の大きな力が感じられる場所。善悪も関係ない、ただ普遍的な自然がここにはあります。そんなピラ砂丘に一度は訪れてみませんか。
[La Dune du Pilat]
[All photos by Shutterstock.com]

Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
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