四季がはっきりとしている日本は、食も季節に合わせて変わることが魅力。特に、京菓子は季節を織り込み、伝統の美意識で、私たちを魅了します。
夏の暑さを感じたら、涼しげなお菓子が気になるもの。見た目も、口当たりも、涼をよぶ京都のお菓子をご紹介しましょう。夏のお菓子を食すために、京都へ行くという旅も良いものです。
水無月(みなづき)
京都の和菓子屋さんに出回ると、夏だなあと感じる季節のお菓子。東京ではあまり見かけません。三角形の白いういろうは、昔6月30日に宮中に献上していた氷室の氷を模しているそうです。
厄除けの願いも込められた和菓子。今年の後半も健やかに過ごせるよう、いただいてみたいですね。
竹筒水ようかん
竹筒に入った、露に濡れた水羊羹。パッケージも涼を呼ぶ演出のひとつ。甘いものが苦手な人でも、つるりと頂ける爽やかさ。小豆にしようか抹茶にしようか、迷いますね。
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麩まんじゅう
つるりとして、もちもちの麩まんじゅう。通年いただけますが、やはり夏にふさわしい。ぬれぬれとした笹の葉を剥くと、もっちりした生麩のお饅頭が顔を出します。
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わらび餅
京都の菓子は艶めかしいですね。涼しげなわらび餅は、絽の着物を着た京美人を連想させます。茶寮で日本庭園を眺めながら、出来たてを頂くのは格別。
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くずきり
カラカラと氷が触れ合う音。水中を泳ぐ美しい透明の葛を引き上げ、黒蜜につけて、ひんやりとした喉越を味わう幸せ。額の汗がすうっと引いていきます。
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夏柑糖
夏みかんの果汁の酸味とほろ苦さ。流れるように溶けるゼリーの口どけ。夏の贅沢。
生茶ゼリイ(抹茶)
安政元年(1854)創業、宇治茶の老舗の生茶ゼリイ(抹茶)。ゼリイにアイスのダブル抹茶、白玉、あんことなれば、文句はありません。竹筒の器にテンションがあがります。
花
伝統の和菓子だけでなく、モダンな京菓子も進化しています。寒天、エルダーフラワー、砂糖で出来た美しいスイーツ。
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和菓子トランプ
伝統的な菓子の説明、英訳付きで外国人客に人気だそうです。日本人の私たちも、勉強のために欲しいですね。
思わずため息の出るほど、美しい涼菓。季節折々ではっきり違うスイーツがあるのは、日本くらいかもしれませんね。アメリカでは、フルーツが季節により異なる程度で、基本的にはチョコレートケーキやチーズケーキ、アイスクリームなど通年定番。世界のトレンドの仕掛け人が、日本のものに目をつけるのは、バラエティーにとんでいるからではないでしょうか。そして日本人が流行りものにすぐ飽きるのは、日本の四季が移り変わってくことと関わりがあるのかもしれませんね。
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