天国に届きそう?空気に色が溶けているような虹のアート

Posted by: 倉田直子

掲載日: Dec 28th, 2016

天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹
(c)facebook/Gabriel Dawe

空に虹を見つけると、幸福な気持ちになりませんか? 今も昔も虹は神秘的な存在と見なされ、キリスト教の旧約聖書には、神との契約の象徴としても描かれています。

けれど虹は、雨上がりの空に、ほんの一瞬現れてすぐに消えてしまうという刹那的な存在でもあります。そんなはかない虹を、アートまで昇華させてしまったアーティストがいるのでご紹介します。

美しい虹のインスタレーション

天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹

(c)facebook/Gabriel Dawe

こちらは、米国テキサス州にあるサンアントニオ国際空港(The San Antonio Airport)。2016年10月に、美しい虹が出現しました。淡い光のカーテンのようにも見える虹が、空港の窓から天井に伸びています。

天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹

(c)facebook/Gabriel Dawe

そうかと思えば、こちらは同じく米国オハイオ州にあるトレド美術館(Toledo Museum of Art’s)に現れた虹。カーブを描きながら天窓に吸い込まれているように見えます。

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天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹
(c)facebook/Gabriel Dawe

美しい・・・。このまま眺めていたら、見ているこちらまで空に吸い込まれていってしまいそうです。けれどこれらの虹は自然現象ではなく、もちろん人工的なインスタレーションです。

天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹

この幻想的なアートを創り出しているのは、メキシコ系カナダ人アーティストのガブリエル・ダウ氏(Gabriel Dawe)。メキシコ・シティで生まれた彼は、その色彩豊かな故郷の文化に囲まれて育ったのだとか。あの虹の鮮やかさを見ると、それも分かるような気がします。

天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹
(c)facebook/Gabriel Dawe

ではダウ氏は、肝心のこの虹のアートをどのように作り出しているのでしょうか。材料は光でしょうか? それとも水?

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色とりどりの紐で作り上げる、鮮やかな虹

天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹

(c)facebook/Gabriel Dawe

実は、あの美しい虹を作り上げてるのは、この色とりどりの糸たち。そう、あの光のカーテンのようにも見えた虹は、無数の糸を張って作られていたのです。

天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹

(c)facebook/Gabriel Dawe

近づいて見ると確かに糸だと分かるのですが、その透け感は依然として虹そのもの。空気に色が溶けているようにも見えます。

天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹

(c)facebook/Gabriel Dawe

高い場所での作業は、このように工業用クレーンに乗っての作業になるようです。あの無数の糸を一本一本丁寧に張っていくのですから、気が遠くなります! 美しいアートの裏には、緻密な作業があるのですね。

虹のインスタレーションのスケジュール

天国に届きそう?色を重ねて作られた人工の虹

(c)facebook/Gabriel Dawe

作者であるダウ氏のホームページには、その時期に見られるインスタレーションの一覧が掲載されています。

ちなみに、冒頭でご紹介したサンアントニオ国際空港の虹のインスタレーションは2019年10月まで、トレド美術館は2017年1月22日までの展示だそうです。機会があれば、ぜひ実物を間近で見てみたいですね。

[Man-Made Rainbow Fills The Gallery At The Toledo Museum Of Art]
[Gabriel Dawe]
[facebook/Gabriel Dawe]
[Photo by Shutterstock.com]

PROFILE

倉田直子

Naoko Kurata ライター

オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
https://www.amazon.co.jp/dp/B0758JCDTM/

オランダ在住ライター。元バックパッカーの旅行愛好家。2004年に映画ライターとしてデビュー。2008年、北アフリカのリビアへ移住後に海外在住ライターとして活動スタート。2011年から4年間のUKスコットランド生活を経て、2015年夏にオランダへ再移住。著書「日本人家族が体験した、オランダの小学校での2年間」
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