【NYパブリック・ライブラリー】2年ぶりに復活、絵のように美しい読書室

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Jun 14th, 2017

【NYパブリック・ライブラリー】2年ぶりに復活、絵のように美しい読書室

ニューヨークを訪れた旅行者は、ニューヨークは「住みたくなる街」と感じるそうです。筆者も初めて訪れた時には、同様に思いました。通り過ぎてしまうのではなく、もっと知りたくなる街。通いたくなるお気に入りの場所を見つけてしまうのが、このニューヨークなのです。

「市立」ではなく、「私立」の図書館

【NYパブリック・ライブラリー】2年ぶりに復活、絵のように美しい読書室

ニューヨーク5th Ave 42nd streetの角ブライアント・パーク(Bryant Park)と隣接する、NYパブリック・ライブラリー(NY Public Library)。100年以上の歴史を持つ美しい図書館は、守り神のライオンが左右に佇みます。「パブリック(公共)」として誰でも訪れることができますが、ニューヨーク市立ではなく個人財団(Astor, Lenox, and Tilden Foundations)と寄付によって運営される「私立」の図書館というのですから驚きです。さすがニューヨークは富裕層が多いのですね。

大理石で造られた図書館は、本を読むためだけでなく、雰囲気を味わうために出かけたい場所。歴史を感じるために、映画の主人公の気分を味わうために。無料で入場できますので、中へ入ってみましょう。1階では、簡単な荷物チェックがあります。

【NYパブリック・ライブラリー】2年ぶりに復活、絵のように美しい読書室

地下には子供向けのチルドレンズ・センター(Children’s Center)、1階にはお土産が買えるライブラリーショップ(Library Shop)、3階には有名なローズ・メイン・リーディングルーム(Rose Main Reading Room)があります。2階には、講談社の4代目社長、故野間省一氏の名前を冠した、Shoichi Noma Reading Room(Second Floor, Room 219)があります(研究者用 事前要予約)。

2014年5月から2016年10月まで、ローズ・メイン・リーディングルーム(Rose Main Reading Room)はクローズしていました。2年間以上の歳月をかけて天井の修復工事を終え、2016年10月に再オープンしています。

2年ぶりに再開したローズ・メイン・リーディングルーム

【NYパブリック・ライブラリー】2年ぶりに復活、絵のように美しい読書室

筆者が前回訪れたとき(記事『恋をするほど美しい。休憩にもぴったりな「NYパブリック・ ライブラリー」』)は工事中だったので、はじめて中に入りましたが、図書館というよりは美術館の一室のようです。豪華な大理石の壁にゴールドのスタンドランプ。ずらりと並んだ蔵書。この絵のような読書室にあなたも入室できるのですよ。

約13億円の工事費をかけた天井

【NYパブリック・ライブラリー】2年ぶりに復活、絵のように美しい読書室

ローズ・メイン・リーディングルーム(Rose Main Reading Room)の天井画。天井画の装飾の一部が破損して落下したことにより、大掛かりな修復工事が行われました。装飾の修繕、スチールケーブルによる900の石膏素材の強化、“Bill Blass Public Catalog Room”の天井画の復元、閲覧室のシャンデリアのLED使用を含め、修復の工事費は$12ミリオン(約13億円)かかったと言われています。

ニューヨーカーの書斎

【NYパブリック・ライブラリー】2年ぶりに復活、絵のように美しい読書室

ローズ・メイン・リーディングルーム(Rose Main Reading Room)の名前は、1990年代部屋を修復のためお金を寄付した家族の子供たち(Deborah、Jonathan F. P.、Samuel Priest、Adam R. Rose)から名付けられたそうです。ローズは個人の名前から来ているのですね。

家賃の高いニューヨークでは、静かなプライベートを保てる書斎を持っているニューヨーカーはほとんどいません。考え事をしたいとき、静かに仕事をしたいとき、調べものをしたいとき、無料で使用できるNYパブリック・ライブラリー(NY Public Library)へと向かうのです。

旅行者でももちろん利用できるので、ぜひ訪れてみてください。WiFiも使えますし、観光で疲れて腰を下ろしたいとき、騒がしいカフェなどより落ち着きますよ。ただし、研究者が静かに調べものをする調査室など一般に公開していない部屋もあります。写真を撮ったり、入室する時は、「学びの場」であることを意識して行動してくださいね。

The New York Public Library

Stephen A. Schwarzman Building
‪476 5th Ave New York, NY 10018, New York City, NY 10018‬

[Go Inside the Renovated New York Public Library Reading Room]
[The $12 million facelift that’s returned a New York ‘rose’ to its former glory]
[The New York Public Library Reopens Its Historic Rose Main Reading Room and Bill Blass Public Catalog Room]
[History of The New York Public Library]

[All photos by Hideyuki Tatebayashi]
 
※無断で画像を転載・使用することを固くお断りします。
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PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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