イギリスのウェールズに佇む、まあるいお城。ウェールズ語で、コッホは赤を意味します。お城の多いウェールズですが、この赤い城はひときわ美しいと言われています。
お城へ向かう道にも映える「赤」
(c)Shio Narumi
カーディフの中心地からバスで30分ほど。バス停からもしばらく歩きます。お城への表参道であるキャッスル・ストリートには、どこかお城をイメージさせるポストが! 素敵なデザインに心を奪われます。
(c)Shio Narumi
お城への入り口。やはりここにも「赤」が。美術館への入り口のような雰囲気です。
おとぎ話のようなお城
そして、これがカステル・コッホです。青空に映えて、美しいというよりも、かわいいという言葉がぴったりはまります。
13世紀にこの地に建っていたお城は、赤い砂岩で出来ていたことから、赤い城と名付けられました。廃墟となっていた城の基礎を使い、当時世界一の富豪とも言われたカーディフ城主第3代ビュート侯爵の別荘として再建されたのが19世紀後半のこと。
時代は豪華絢爛なビクトリア朝。人々は中世の美に魅了されていました。この「新」赤い城は、1250–1300年頃のハイゴシックのテイストを取り入れたものです。
城の内側はこんな風になっています。小さな中庭を取り囲むようなつくりです。
(c)Shio Narumi
(c)Shio Narumi
(c)Shio Narumi
内装は、素朴さに豪華さが加わった感じ。
建物の中の階段は、幅もそうですが、一段一段の奥行が狭いものです。そのときはぺたんこな靴を履いていましたが、上り下りが大変でした。これがヒールだったらもっと怖かった、お姫様たちはどうしていたのか? と心配になりました。
豪華なお部屋にいても、かごの中の鳥になったような、どこか寂しい気分になります。城はメインの住居として作られたものではなかったし、住居として適していなかったので、家族の訪問はまれであったそうです。もしかして建物の寂しさかった記憶が伝わってきたのかもしれません。
メルヘンな光景
ところで、このお城の真骨頂は、引きでみた景色です。紅葉に燃えるウェールズの山のむこうにみえる姿が芸術的です。
雪景色のなかに見える姿は完全におとぎ話!
公式ホームページには動画もあるので、いろいろな角度から撮ったお城の姿を楽しんでくださいね。
[Castell Coch]
[Photos by shutterstock.com]