おばんざいや懐石料理など、なんとなく和のイメージが強い京都。ですが古くから牛肉文化が根付いてきた地でもあり、なんと京都市の牛肉の一世帯当たり年間支出額は全国1位!(ここ3年間での平均)。街には舌の肥えた京都人を唸らせる牛肉専門店がひしめきます。
今回は、京都マニア及び肉星人の筆者が本気で厳選した、京都で絶対に間違いのない名店を3つご紹介しましょう。
江畑
ディープなお店も多い西陣エリアに佇む「江畑」。京都駅からはバスで約30分。かれこれ全国500軒以上の焼肉店を訪問してきた肉マニアの筆者ですが、江畑は味、コスパ、雰囲気ともに最高峰レベル!
遊郭だった建物をリノベーションしたお店は、懐かしい下町風情があふれ居心地のよさ抜群。扉を開けると、25人くらいは座れる長いカウンターがお出迎え。カウンター越しで焼き職人の方にお肉を焼いてもらえるスタイル。
大将をはじめ店員さんが気さくなお人柄で、一人で訪問してもあれこれお話しながら焼肉を楽しめます。かと言って決して押し付けがましい訳ではなく、付かず離れずの程よい距離感が心地いい。
江畑の特筆すべきはなんといっても上質な近江牛。「タン刺し(800円)」はクセや臭みが全くなく、鮮度のよさを実感。とろけるように柔らかく、霜降りながらもしつこくなく極上の味!
「ロース(1,200円)」を塩で。赤身と脂の境目がくっきりしていて、見た目から新鮮さが伝わります!
肉の脂を落とすように炙られ、職人技が光る絶妙な焼き加減を堪能。
香ばしいロースがさっぱりしたおろしポン酢に絡み合い、最強のコンビネーション! 口いっぱいにお肉の旨味と甘味が広がります。
江畑名物の「ギアラネギ(1,200円)」。タレをもみ込んだギアラをこんがり焼いて・・・
九条ねぎをたっぷりと乗せて・・・
最後にタレをかけます。ねぎが少ししんなりしたら食べごろ。ギアラの弾力ある食感と、ねぎのシャキシャキ感が抜群! 思わずご飯が欲しくなる逸品。
江畑のメニューには特上や上などのランクがありません。それだけお肉の質への自信が感じられます。ロースやバラは巷の焼肉店の特上並みのお味で、ホルモン系も近江牛のものと考えると最高のコスパであること間違いなし!
ル・キャトーズィエム(le 14e)
神宮丸太町駅近く、ビルの2階に佇む「ル・キャトーズィエム(le 14e)」。パリの14区にある名店「Le Severo」で修行されていたシェフが作る“揚げ焼き”赤身肉ステーキを堪能できるビストロ。
店内はパリの下町に迷い込いこんだような隠れ家的な雰囲気。カウンター席もあるので一人でも気兼ねなく過ごせますよ。
その日にいただけるお肉の銘柄や部位、前菜などのメニューが黒板に用意。
アルミホイルに巻いたお肉のプレゼンも。グラムが書いてあるのでわかりやすい。
「ブッラータとフレッシュトマト(2,500円)」。トマトはみずみずしく爽やか! ブッラータはフレッシュながらも濃厚でとろけるような食感で、香り高いオリーブオイルと見事に調和。ぜひ必食したい逸品です。
そして待望のお肉! フランクの160gをオーダーしてみました。たっぷりの油で揚げるように焼かれたステーキは、表面のカリッと感と中のしっとり感のコントラストが抜群。
艶めかしいほどの赤身肉。揚げ焼きというスタイルながらも、一気に焼くことで油っぽさは皆無。柔らかい赤身肉は旨味や肉汁がギュっと凝縮されていて、噛めば噛むほど旨味が口の中に広がります。塩とコショウのみのシンプルな味付けがお肉のおいしさを引き立てていて、極上の味わい。
赤身肉ファンだけでなく霜降り好きな人にも、オススメしたい名店です。
肉専科はふう
丸太町駅から歩いて10分ほど、京都御所の南の閑静な住宅街にある「肉専科はふう」。オーナーの実家が精肉の卸を営まれ、産地やブランドにとらわれることなく厳選した上質の和牛を堪能できる、肉料理専門の洋食レストランです。
外観はなんとなく敷居が高そうな雰囲気ですが、店内は気軽に食事を楽しめる居心地いい空間。細長のキッチンに面する長いカウンター席では、シェフ達の手仕事を間近で楽しめるのが魅力です。
「カツサンド」や「ビフカツ」が有名なはふうですが、筆者のオススメは「はふうステーキ丼」。ランチでは小鉢、サラダ、味噌汁、ご飯、香の物、コーヒーか紅茶がついて2,800円になります。
ご飯の上に薄くスライスされたステーキ、ネギがたっぷりトッピングされたステーキ丼。ほどよいサシが入ったお肉が使われていて、上品なジューシー感たっぷり。醤油ベースの和風タレ、ネギ、西洋わさび、白ごまと完璧に調和。計算し尽くされた極上の逸品。
お肉の香ばしさが秀逸で、食した後まで口の中まで広がります。肉汁やタレが染み込んだご飯は絶品! ディナーよりもランチタイムの方がお得なので、気軽に上質なお肉を楽しみたい時にオススメですよ。
[肉専科はふう]
秋も深まり、そろそろ紅葉の美しさがピークを迎える京都。赤色に染まる絶景を見た後は、心まで幸せにしてくれるお肉を堪能してみませんか?
[総務省統計局]
[All photos by Nao]