年の瀬がせまり、なんだか落ち着かない気分になっているあなたに、つかの間非日常にトリップする記事を1週間毎日お送りいたします!
TABIZINE「世界の謎」特集、どうぞお楽しみください。
沖縄本島から西へ100km、飛行機で約30分のところにある久米島。サンゴ礁のリーフに包まれ、スカイブルーやコバルトブルーに色を変える澄みきった海、どこまでも続く白砂のビーチ・・・ そんな南の島の美しい光景が広がる島内で、心霊スポットとして知られる“おばけ坂”が、ひっそりと人の訪れを待っていた!
シマンチュの誰もが知っている久米島一のミステリー
久米島一の心霊スポット「おばけ坂」。シマンチュで知らない人はいないといわれるほど、超有名なスポットです。そこを訪れた者は悪霊にとりつかれ・・・ なんてことにならないよう願いながら、久米島を一周する道路、県道242号線を北上します。
仲地集落を過ぎて、具志川エリアに入る前、右手に「おばけ坂」の標識が現れます。脇道に入り約700m車を走らせると、ココだと示すおばけ坂の看板が! サトウキビ畑が広がる中に、突如現れる薄暗い坂道。熱帯植物で覆われた約50mの区間が、世にも奇妙な「おばけ坂」だというのです。
坂の途中で大きな悲鳴が! いったい何が起こったんだぁ!!
「何の変哲もない下り坂じゃない!」「だからこそ突如何かが現れるんだよ!!」と、期待!? と不安を胸に車をゆっくりと進めます。坂の途中まで来たときです。ちょっと待って! 車を止めてギアをニュートラルに、「うわぁぁぁ~!」。白い無数の手がフロントガラスに・・・なんてことはありませんが、下ってきた坂道を車が勝手にバックで上りだしたのです。
これが久米島一のミステリースポットおばけ坂の正体! 呪われたりしないのでご安心を。見た目は下り坂なのですが、実は上り坂で、車を途中で停止させると、見た目とは逆方向に動いてしまうという不思議な坂なのです。
高校教師が偶然発見! ミステリーに包まれた謎の真相
このおばけ坂。1990年ごろ、植物の採取をしていた高校教諭が、坂の途中にニュートラルで止めた自分の車が、上り坂を進んでいくのを見て偶然発見したのだとか。その当時は、この超常現象は解明できず、おばけの仕業だと新聞にも取り上げられるほど話題になったそう。今となっては、周りの風景や勾配などで錯覚を起こす「縦断勾配錯視」といわれています。
な~んだぁ! と思われた方、この話にはまだ続きがあります。このおばけ坂、宇江城の中腹にあるのですが、その昔、城を守る宇江軍が一斉に巨石を転がして敵軍を退散させ、多くの兵士が命を落としたそうです。古戦場としての側面もあるおばけ坂。そのときの霊魂がいまだ彷徨っているという噂も。
確かにサトウキビ畑の中、この一角だけ草木が生い茂り、冷たい空気が流れています・・・ おばけ坂に行くときは、ボールやビー玉など、転がりやすいものを持っていくことを忘れずに。ただし、交通ルールはしっかり守って超常現象を体感してください。
[All Photos by tawawa]