コート・ダジュール地方に数ある鷲の巣村のなかで、どこかひとつだけ行くとしたら、絶景の村・エズへ。
垂直に切り立った断崖の上に築かれた、海と空のあいだに浮かぶ村には、地中海を見下ろす絵のような風景が待っています。
コート・ダジュールの鷲の巣村
南フランスのコート・ダジュール地方には、「鷲(わし)の巣村」と呼ばれる山頂に築かれた村が数多く残っています。
鷲の巣村とは、中世の時代にイスラム教徒の攻撃を避けるために険しい山の上に築かれた村のことで、ニースとモナコのあいだに位置するエズもそんな鷲の巣村のひとつ。
村の景観が鷲が木の上に作る巣に似ていることから、そう呼ばれるようになりました。海のイメージが強いコート・ダジュールですが、意外にも山岳地帯が多く、独特のたたずまいを見せる村々の風景もまた魅力なのです。
海と空のあいだに浮かぶ村・エズ
コート・ダジュールに数ある鷲の巣村のなかでも、エズはその特殊な景観で訪れる人々を魅了してやみません。
ニースからバスでわずか20~30分、海から垂直に切り立った海抜420メートルの崖の上に位置するエズに付けられた異名は、「海と空のあいだに浮かぶ村」。海を真下に見下ろし、空に限りなく近い中世の村は、現実離れしたおとぎの国を思わせます。
地中海を見下ろす絶景
村の高台に設けられた熱帯植物園は、エズの村と地中海を同時に眺められる絶好のビュースポット。さまざまな種類のサボテンと碧い海との競演は、この村ならではのエキゾチックな風景です。
ここから眺めるオレンジ色の家並みと紺碧の地中海が織り成す風景は、言葉を失うほどの美しさ。コート・ダジュールを訪れたなら、決して見逃せない絶景です。
中世の面影が残る町並み
山に隠れるようにこっそりと築かれた村は、近代化とは隔絶された世界。ざっくりと石を積み上げて造ったはちみつ色の家々が並ぶ町並みは、中世そのままのたたずまいを残しています。
世界中から旅行者が訪れる場所でありながら、観光地化されきっていない村には、昔ながらの素朴な風景が随所に残されているのも魅力。とりわけ、観光客の少ない朝や夕方に出かければ、中世にタイムスリップしたような気分になれることでしょう。
南仏の暖かい陽射しが降り注ぎ、ブーゲンビリアやジャスミンの花々が咲き誇る美しい村の景色は、きっとあなたの心を優しく満たしてくれるはずです。
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