外国語が話せるようになりたい、そう考える人はきっと少なくないはず。その夢を実現するために、海外留学を一大決心している人も居るかと思いますが、海外でホームステイ先になじめずに、なんだか不完全燃焼で帰国をする人も少なくないと聞きます。
そこで今回は富山留学アカデミーの代表で、ご自身も留学経験を持ち、多くの日本人の留学サポートを行う井上純子さんに、海外のホームステイ先で人間関係作りに苦戦しがちな人の共通点を教えてもらいました。
特徴その1:部屋にこもりきりでSNS中毒になってしまう
言葉が通じないストレスから部屋にこもりきりになってSNS中毒になる人は、ホームステイ先で人間関係作りに苦戦する傾向があると井上さんは指摘します。
「外国ではコミュニケーションをとらなければ、何も始まりません。ずっと部屋にこもってSNS中毒になってしまった結果、『何を考えているか分からない』、『帰国した方がいいのでは?』とホストファミリーから言われてしまった留学生も残念ながら知っています」
母国語で故郷の友達とつながれるSNSは、確かに異国だと居心地がいいですよね。しかしその心地良い世界にばかり逃げてしまうと、せっかくの留学が台無しになってしまう恐れもあるのですね。
特徴その2:なんでも日本と比較してしまう、日本を基準に考えてしまう
なんでも日本を基準に考え、日本との比較の中で現地の出来事を判断してしまう人も、要注意だと言います。例えばホームステイ先の食事。
「ホストマザーが作るご飯は、日本のおかあさんが作る料理より簡素な内容がほとんどです。その食事内容を見て『歓待されていない』とホストマザーを敵視してしまう留学生も居ます」
確かに筆者の身の回りにも、留学当時にホームステイ先で朝食にビスケットしか出てこなかったと嘆いていた知人が居ます。だからと言って、「大事にされていない」「歓迎されていない」と日本流に考えてしまうと、その気持ちが言動に出てホストファミリーにも伝わってしまうみたいですね。
次は基本的だけれど忘れがちなポイントについて。
特徴その3:笑わない、挨拶をしない
次はシンプルでありながら、意外に注意しないと忘れてしまいがちなポイント。言葉が満足に話せなくて、部屋に引っ込みたくなる状況でも、
「笑顔を忘れず、挨拶さえできれば、ホストファミリーも話しかけやすくなります」
と、井上さんは教えてくれました。どんな状況でも笑顔と挨拶を忘れないようにしたいですね。
特徴その4:自分のことを自分でできない
ホストファミリーは、残念ながら本物の家族ではありません。ましてやメイドやホテルのサービススタッフではありませんから、洗濯、ベッドメイキング、朝食の用意など、何でも頼りすぎるとネガティブな感情を抱かれるリスクがあると井上さんは言います。
筆者の配偶者も豊富なホームステイ経験がありますが、聞いてみると「自分のことはなんでも自分でして」と現地では当たり前のように求められたそう。例えば朝食1つにしても、自分でパンをとり、冷蔵庫の中からハムやチーズをのせて、自分で勝手に食べていたと言います。
「人に頼らず、自分の身の回りのことは自分でするように心掛けたい」
とは、井上さんの言葉。くれぐれも注意したいですね。
以上、留学先のホストファミリーといい関係を作れない人にありがちな特徴を紹介しましたが、いかがでしたか?
帰国後も頻繁に連絡を取り合い、人生の節目節目で再会をするような、一生の財産とも言える人間関係をホストファミリーと築くためにも、上述の点には注意して留学先で時を過ごしたいですね。
井上純子・・・富山留学アカデミー代表。カリフォルニア大学アーバイン校卒業。JICAボランティアとしてパラグアイで2年間日系日本語学校教師として活動。留学準備中、留学中の過酷な勉強の中、異文化の中、体験した困難、楽しさ、悲しさ、嬉しさ、悔しさ、感動。この素晴らしい経験を他の方にもしていただきたい、留学で悩む方や、不安なことがある方がいたら少しでも助けになりたいと留学仲介業を起業。
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