週末のみ開催されるバンコクの巨大マーケット「チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケット」はあまりにも有名。衣類からタイ雑貨、スパグッズ、アンティークまでなんでも揃うマーケットはテーマパークさながらの楽しさがあります。
チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットとあわせて楽しみたいのが、外国人観光客にはあまり知られていない穴場的フードマーケットの「オートコーマーケット」。
バンコクの週末は、買い物天国&食べ物天国の2つのマーケットをはしごして、欲張りな一日を過ごしてみませんか。
週末のバンコク名物「チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケット」
週末をバンコクで過ごすなら、一度は足を運んでみたいのが、「チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケット」。1982年に設立されたタイ最大級のマーケットで、1.13平方キロメートルの敷地に1万5000店もの店舗が出店しているというバンコク名物の超巨大マーケットです。
取り扱う商品・サービスは、洋服からエスニック衣料、バッグや靴、アクセサリー、スパグッズ、造花、陶器、インテリア用品、アンティーク、食べ物屋台、マッサージ店など、ありとあらゆるものが揃っています。
チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットは、一度入り込んでしまうとどんどん深みにハマる迷宮。ショッピング好きなら一日いても飽きないかもしれません。
巨大マーケット攻略法
一部金曜日も営業しているお店もありますが、チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットの正式な営業日は毎週土曜日と日曜日のみ。営業時間は8:00~18:00ごろとされていますが、店によって異なり、10:00ごろまで開店しない店も少なくありません。
海外からもバイヤーが訪れるほどの有名マーケットだけあって、午後にはたくさんの人でごったがえすため、比較的空いている朝のうちから出かけるのがおすすめ。ただしあまり早すぎても開いていないお店が多いので、10時前に到着するようにするといいでしょう。
チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットは、MRTカムペーンペット駅の2番出口を出てすぐのところにあり、BTSモーチット駅も利用できます。
敷地は27のセクションに分かれていて、それぞれに商品カテゴリーがおおまかに決められています。マーケットの隅から隅までを全部見ようと思うと一日あっても足りないくらいなので、重点的に見たいセクションをあらかじめ決めておくのが得策です。
チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットにある店舗の多くはクレジットカードが利用できないので、買い物には現金が必須。マーケット内には両替所もありますが、必要なときにすぐ見つかるとは限らないので、事前に両替を済ませておいたほうがスムーズです。
バラマキ土産探しにもぴったりな雑貨天国
チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットは、とにかくショッピング好きにはたまらない買い物天国。ほとんどが小さな個人商店なので、大型のショッピングモールやチェーン店にはないような個性的なアイテムに出会えるのも魅力です。
お土産調達が目的なら、小さなポーチやスパグッズなどの雑貨は絶対に見逃せません。マーケット内を歩いていると、キャンドルやお香とお香立てのセット、お花の形に彫られた美しい石鹸など、バラマキ土産にぴったりなプチプラ雑貨が目に飛び込んできます。
タイ北部の山岳民族のデザインを取り入れたカラフルなポーチやバッグ、キーホルダーなどのエスニック雑貨にも注目。どこにでもあるような量産品だけでなく、一つひとつ手作りされた小規模なデザイナーズブランドのタイ雑貨にも出会えます。
石鹸やボディオイル、ハーバルボールなどのスパグッズもタイ土産の定番のひとつ。世界的に有名なタイのスパブランドの商品は高額ですが、チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットなら、手ごろながら良質なローカルブランドの商品がたくさん揃っています。
スパグッズのお店はファッションの店舗のあいだにぽつりぽつりと点在していることが多いので、宝探し気分で歩きながら見つけましょう。
主張しすぎない洗練されたエスニックファッションも
近年チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットで存在感を増しているのが、主張しすぎないモダンなエスニックファッションのお店。
東南アジアのローカルファッションは、「現地で見たら可愛いと思ったけれど、日本では違和感があって結局着ずじまい」ということがよくあります。実際にそうやって失敗した経験をもつ人や、そう思って買うのをやめたことがある人もいるのではないでしょうか。
でも、せっかくタイにいるのだから、日本と同じファッションというのもつまらない。
そんなニーズに応えてくれるのが、刺繍が施されたモダンなブラウスやスカートを売るお店。ちょっぴり個性的でエスニックな雰囲気はあるものの、主張しすぎないので、日本でも違和感なく着こなせるはず。
カラーバリエーションも豊富で、派手なものから控えめな印象のものまで、さまざまなデザインが揃っていますよ。
チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットでのショッピングの鉄則は、「欲しいと思ったら買う」こと。
なにしろ敷地が広大で店舗数が多いので、同じ店に後でまた戻って来るのは困難。どうしてもその場で決められないときは、あればショップのカードをもらう、なければお店の看板を写真に撮るなどして、戻るための手がかりを残しておくようにしましょう。
穴場的フードマーケット「オートコーマーケット」
地元の若者と観光客でごったがえすチャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットの目と鼻の先にあるもうひとつのマーケットが、MRTカムペーンペット駅の3番出口の目の前にある「オートコーマーケット」です。
タイの農業協同組合によるマーケットで、長きにわたってタイ人の生活を支えてきたバンコクの台所。品質と衛生面が適切に管理された良質な食材が並ぶとあって、プロの料理人や富裕層もわざわざ足を運ぶという食の宝庫です。
チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットが外国人観光客のあいだでもよく知られているのに対し、オートコーマーケットはガイドブックで取り上げられることも少なく、観光客の姿を見かけることも少なく、タイ人のあいだでは有名でも観光スポットとしては穴場的存在。
カラフルな南国フルーツやタイの伝統的なスイーツ、お惣菜など、タイならではの珍しい食べ物が並ぶマーケットの様子は見ているだけでも楽しめます。
しかも、オートコーマーケットにはフードコートが併設されているため、その場で安ウマローカルグルメを楽しむこともできるのです。
ずらりと並ぶ色鮮やかな南国フルーツ
オートコーマーケットには、野菜や果物、肉、魚、穀物、乾物など日々の暮らしに欠かせない食材が一通りそろっています。ここに並ぶ野菜はどれもみずみずしくておいしそう。
特に圧巻なのが、色とりどりの南国フルーツが並ぶ果物コーナー。マンゴーひとつとってもさまざまな色や形のものがあり、日本ではあまり見かけないマンゴスチンやドリアン、スターフルーツなど珍しいフルーツが並ぶ光景は、見ていて飽きることがありません。
進物用の果物を買い求める人も多いようで、立派な箱に入った高級メロンや上質なフルーツの詰め合わせなども販売されています。それでもさすがはフルーツ天国タイ、日本よりもずっと安い値段で質の高い果物を買うことができ、タイの人々が羨ましい限り。
カットフルーツを販売するお店もあり、新鮮なフルーツをその場で食べることもできます。
お惣菜コーナーやフードコートも充実
テイクアウト&外食文化が発達しているタイだけあって、フードマーケットも単なる食材調達の場にとどまりません。
オートコーマーケットにはお惣菜を買えるお店やフードコートもあり、できあがった料理をマーケット内で楽しむことができるのです。珍しいローカルフードが並ぶ屋台はなかなかの迫力。食べたいものを指さしで注文できるので便利ですね。
もちろん注文した料理をその場で作ってくれる屋台もあり、ベーシックなタイ料理のほかにチキンの丸焼きやタイのデザートなども楽しめます。
値段はご飯ものや麺類なら一皿60バーツ(約200円)程度と格安ですが、さすがフードマーケット内だけあって、どのお店もクオリティが高い!衛生管理もされているので、、屋外の屋台には抵抗があるという人にもおすすめです。
お客さんのほとんどがタイ人で、ローカルな食文化に触れられる一方で、こぎれいで安心して利用できるのがオートコーマーケットの魅力なのです。
チャトゥチャック・ウィークエンド・マーケットで2~3時間過ごした後、オートコーマーケットでランチをして帰ってもいいですし、買い物し足りなければランチの後またウィークエンドマーケットに戻るのもあり。
ショッピング好きな人は、たっぷり時間をとってとことん魅惑の迷宮に挑んでみるのもいいかもしれません。
[All photos by Haruna Akamatsu]