筆者も少年のころ、未来の光景を描くように小学校の先生に言われて、空飛ぶ車をクレヨンで描いた覚えがあります。未来を舞台にしたSF映画でも空を飛ぶ車が繰り返し出てきますが、フィクションの話ではなく、現実にはもう世界の何社かが有人のテスト飛行をするまでに完成が近づいているみたいですね。
有人のテスト飛行を実現した空飛ぶタクシー
(イラストはイメージです)
慢性的に渋滞の多い都市部を自家用車やタクシーで移動しているとき、ふと「空を飛んで移動できれば、あっという間なのに・・・」と感じてしまいませんか? 「そんなの無理」と思うかもしれませんが、実際にその未来は近づいており、有人のテスト飛行まで実現している会社が存在するほどです。
例えばエアバス社のプロジェクト組織で、米シリコンバレーにあるA³(エイ・キューブド)の製作した自動操縦の空飛ぶ乗り物Vahanaは、有人飛行テストに2018年1月31日の時点で成功しています。
https://www.youtube.com/watch?v=gJrKmMM7vW0&t=11s
動画をYouTubeに公開している通り、垂直に浮かび上がり、高さ5mほど(2階建ての家くらいの高さ)を53秒間飛行して、見事に着陸を果たしています。機体のサイズは幅が6.2m、長さが5.7mで、高さが2.8mですから、トヨタのハイエース(スーパーロング・ワイド)に両翼を付けたくらいのサイズ感ですね。
(イラストはイメージです)
他にも中国のドローン企業が製作するEHANG184という空飛ぶ乗り物も、有人のテスト飛行を成功させています。こちらもテスト飛行の様子が公式にYouTubeにアップロードされていますが、撮影に協力した参加者の1人は「Seriously! You should try this.(まじで、あなたもこれに試乗するべき!)」と興奮した様子で感想を語っています。
こうした乗り物がタクシーとして利用されれば、まさに空飛ぶタクシーの完成ですね。
将来的に空飛ぶタクシー業界に参入を表明している企業も少なくない
(写真はイメージです)
現状で有人のテスト飛行は実現していないものの、空飛ぶタクシーの実用化を宣言している企業は他にも存在します。
例えばヘリコプター業界のトップランナーである、米国のベル・ヘリコプター。将来的にリリースを考える空飛ぶタクシーのデザイン(キャビン部分)を既に公開しています。
(写真はイメージです)
同じく米国の配車サービスで有名なウーバーは、米航空宇宙局(NASA)などさまざまな組織と提携を結び、2020年までに試験飛行、2028年までに商業化を目指すと宣言しています。
こちらもイメージ動画が公式にYouTubeにアップロードされていますが、高層ビルの屋上に作られた離発着ポートから飛び立つ空飛ぶタクシーの映像は、まさに近未来を舞台にしたSF映画そのもの。
映像では、空飛ぶタクシーに乗る女性がふと眼下を見下ろすと、大都市の渋滞で立ち往生している自動車の列が目に入るといったシーンが描かれています。渋滞を知らない空飛ぶタクシーのメリットが、分かりやすく表現されていますね。
日本にも空飛ぶ車を目指す動きも
(写真はイメージです)
もちろん、技術力に優れた日本も負けていません。トヨタグループなど日本のさまざまな大企業の支援を受けるCARTIVATOR(カーティベーター)という有志の団体が、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでのお披露目を目指して、空飛ぶ車の開発を行っています。
自動車業界、航空業界の若手メンバーが業務外の時間を使って行う開発プロジェクトで、2018年7月には無人機デモの一般公開、2019年1月には有人機デモ一般公開、2020年7月には東京オリンピック開会式における聖火点灯デモを独自に予定しています。日本の若い才能がどのような形で世界を驚かせてくれるのか、今から楽しみですね。
[MILESTONES – CARTIVATOR ]
以上、空飛ぶタクシーの現状を紹介しましたが、いかがでしたか? 実際に実用化するとなると、道路交通法のようなルールを根本から新たに整備する必要があるはずですが、空の移動が日常的になる世界の到来を想像するだけで、ワクワクしてしまいますね。
(写真はイメージです)
[Vahana’s First Flight a Success – A³ ] [EHANG184 ] [MILESTONES – CARTIVATOR ] [All Photos by shutterstock.com ]
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Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター
1979年東京生まれ、埼玉育ち、富山県在住。成城大学文芸学部芸術学科卒。国内外の媒体に日本語と英語で執筆を行う。北陸3県を舞台にしたウェブメディア『HOKUROKU』の創刊編集長も務める。
https://hokuroku.media/
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