
旅は、その場で楽しむだけでなく、後からふりかえることも含めての娯楽。思い出が蘇っている状態を「メンタルタイムトラベル」と言います。何をきっかけにしたら心が過去へと旅立てるのでしょうか。
心:感情を使う
記憶のメカニズムとして、印象が強い事と重要な事は、脳の長期記憶に振り分けられます。旅行中、驚いたり、感動したり、悲しんだりして心が大きく動いたことは、自然と記憶に残るはず。言ってみれば、忘れたことはどうでもいいこと(笑)。それでも思い出したい場合は、当時と同じ気分になることです。楽しい気分になれば、楽しかったことを思い出しやすくなります。
目:写真や動画、文字をみる

分かりやすい証拠です。写真よりも心のカメラに残したいなんて思っても、記憶は薄れるもので、旅の写真の記録を見返すと、初見のような気分でみる写真の多いこと!しかし何度もみていると状況を思い出してくることがあります。そのとき身に着けていた服やバッグを見て記憶が蘇ることも。
またスケジュールをみたり、起きたこと、食べたもの、感じたことなどを読み返したりすると、思い出しますよね。個人的には手書きの方がトリガーになりやすいです。
口:思い出を語る
旅行の思い出話は楽しいですよね。時間をおいて繰り返し話すと忘れにくいそうです。人によって覚えていることが違うので、一緒に旅行をした人と話し合うと、記憶を補い合えます。話しているうちに、芋づる式に思い出すことも。
とはいえ、どちらかの記憶、もしくは両方の記憶が変わってしまっていることはよくあることなのだとか。やってもいない、起きてもいないことを自身の体験として思い出すものだそう。
言語には意味を象徴する機能があるので、自身が体験していないことの情報も束ねているのが原因のひとつのようです。
耳:音楽を聴く

昔の音楽を聴くと、当時の思い出が蘇りませんか?
思い出して懐かしい気分になったときと、音楽に感動したときは、脳内でドーパミンが分泌された状態で、似ているんだそうです。音楽で懐かしい気持ちになりやすく、懐かしさは記憶を想起しやすい。結果、思い出しやすくなるそう。
さらに、言語と違って、聴覚で受けた刺激は固有の出来事と紐づけられているそうです。そのため、自身の体験を思い出しやすいそう。
その旅のテーマ曲をつくって合間に聴けば、後から思い出しやすいはず。
鼻:匂いを嗅ぐ

嗅覚も感覚的な刺激であり、個人的な特定のイベントと結びつきやすいものです。文字が生まれる前の中国では、強い香りのお香を炊きながら口述で覚えたそう。ふと漂って来た香水の香りで誰かを思い出すことがありますよね。それを意図的にやることです。
頭:連想ゲームをする
関連した情報から連想ゲームのようにたどっていくと思い出すことが。落とし物をしたとき、その日の行動を振り返りますよね。そういった手順で進んでいくことです。
手:利き手でない方の拳を握る
90秒間、利き手でない方の拳を握ると、思い出しやすくなるという実験結果があります。まだ研究途中とのことですが、脳の記憶を司るところが活性化するという仮説です。ダメ元でやってみる価値はありますね。ちなみに記憶するときは利き手を90秒間握るそう。
人によって、得意な五感は違うので、強いものから試してみましょう。
参考
[北海道大学学術成果コレクション 論文「感情と記憶」]
[J-STAGE 論文「意図的および無意図的に想起された自伝的記憶の 特定性の比較」]
[マイナビニュース 「脳科学者に聞く – 記憶と脳をめぐる10の真実(前編)」]
[M-ON! MUSIC 「昔の曲を聴いて“懐かしさ”を感じるのは、“メンタル・タイムトラベル”のせい」]
[All Photos by shutterstock.com]

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Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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