
近年おしゃれなカフェが続々と誕生している京都嵐山。なかでも注目を集めているお店のひとつが「イクスカフェ」です。
純和風の広いお屋敷を改装したお店の内外には、ロックな絵師「Ki-Yan」の壁画が施され、レトロモダンな雰囲気。
ハイセンスな空間で、黒いロールケーキをはじめ、高級抹茶を使用した本格和スイーツはいかがでしょう。
嵐山の中心に建つ和の邸宅

嵐山の目抜き通り、長辻通から一本入った場所に、立派な門構えの純日本家屋を発見。「なんだろう」と近づいてみると、「京都本格珈琲純喫茶」の看板があります。
一見、高級旅館か高級料亭のようなこの建物こそ、「イクスカフェ京都嵐山本店」。和の邸宅をリノベーションしてオープンしたレトロモダンなカフェで、アートな空間と本格和スイーツで人気を博しています。

ひとたび重厚な門をくぐれば、そこは嵐山の別世界。嵐山のど真ん中、天龍寺のすぐ近くに位置しているにもかかわらず、一本路地を入っただけで驚くほど落ち着いた時間が流れています。
ロックなKi-Yanアートがお出迎え

門をくぐると目に飛び込んでくるのが、「Ki-Yan」こと木村英輝氏の手による壁画。「平成の琳派」とも称されるKi-Yanは、ロックプロデューサーを経て還暦を迎えてから絵師になったという異色の経歴の持ち主で、これまでに国内外で180以上の壁画を手がけています。

イクスカフェの外壁に描かれた作品「Black Peony」は2010年に制作されたもの。気高さと同時に躍動感を感じさせるシャクヤクの花には、「これぞKi-Yanワールド」とでもいうべき抜群の存在感があります。
黒い外壁にブルーとゴールドでシャクヤクを描くこのセンス・・・反則級です。
和とモダンが融合した空間

入店前から期待を超えた世界観を見せてくれるイクスカフェ。もちろん店内も和とモダンが融合した素敵空間です。

広い店内には、畳席とテーブル席があり、畳の部屋にはKi-Yan作の襖絵「White Lions」が。大きな親ライオンの上には小さな子ライオンが2匹載っているかわいらしい姿には、自然と笑みがこぼれます。
ほかに、赤いライオンが描かれた襖絵が見られる部屋もあります。

敷地内にある美しい日本庭園も、イクスカフェの自慢。2人だけでお庭に向き合える、こんな特等席はいかがでしょうか。
和の情緒や四季折々の自然美を愛でる、伝統的な日本建築の良さを大切にしつつも、そこにモダンな要素を加えた空間は居心地抜群。部屋によってまったく異なる体験ができるので、何度でも足を運びたくなってしまいそうです。
名物・黒いロールケーキ

イクスカフェの名物が、「京黒ロールくろまる」。その名の通り黒い生地のロールケーキで、美しく盛り付けられたアート作品のような見た目もインパクト大の一品です。
この色の秘密は、生地に練りこまれた竹炭。かすかにシャリッとした、ほかにはないユニークな食感が楽しめます。
京黒ロールシリーズのなかでも一番のおすすめが、老舗「播磨園」の高級オーガニック抹茶を使用した「京黒ロール播磨園抹茶」。
通常の「京黒ロールくろまる抹茶」に比べて抹茶の風味が濃く、甘さ控えめの上品な味わいのほろ苦抹茶クリームは、抹茶好きをもうならせる逸品です。
アイスが絶品・天龍寺パフェ

嵐山を代表する名刹・天龍寺の名を冠した「天龍寺パフェ」も人気メニューのひとつ。
抹茶とほうじ茶のアイスクリームに、抹茶わらび餅、白玉、あずきなどが載った正統派の和パフェです。よくあるガラスの器ではなく、あえて古風な器に盛ってあるところが心憎いですね。
天龍寺パフェの最大の魅力は、なんといってもアイスクリーム。抹茶、ほうじ茶ともに、厳選された素材を使用したアイスは、驚くほどに香り高い、お茶そのものの味わいです。素材が良いからこそ、シンプルな材料で勝負ができるのですね。
ぜひ抹茶をセットにして、奥深い京都の抹茶を堪能してください。

和の伝統を守りながらも、現代の感性を採り入れたイクスカフェ。「伝統」と肩ひじ張るわけでもなく、「モダン」と尖るわけではない、和とモダンの自然な融合が、心地良さの秘密です。
[All Photos by Haruna]

Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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