【ランキング】日本人よりも日本の魅力を理解している外国人。2018年訪日旅行客に人気の県は?

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Feb 25th, 2019

旅行予約サービス「楽天トラベル」は、2018年1月1日(祝)~2018年12月31日(月)の楽天トラベル外国語サイト経由の人泊数をもとに、「2018年 訪日旅行(インバウンド)人気上昇都道府県ランキング」を発表しました。私たちも参考にしてみましょう。

新緑の只見線 撮影者福が満開フォトコンテスト応募作品

新緑の只見線 
(C)公財団法人福島県観光物産交流協会 
撮影者 福が満開フォトコンテスト応募作品

日本人である私たちは、日本の良さを本当に理解しているでしょうか。日本全国47都道府県には、四季折々の美しさがあり、異なる気候や地域の特色を持ち、それぞれ持ち味や魅力があります。

旅行予約サービス「楽天トラベル」は、2018年1月1日(祝)~2018年12月31日(月)の楽天トラベル外国語サイト経由の人泊数をもとに、「2018年 訪日旅行(インバウンド)人気上昇都道府県ランキング」を発表しました。

2018年訪日旅行客に人気急上昇の県は

海外から日本へ訪れる外国人旅行客は、どの県に魅力を感じていると思いますか。私たちが知らない日本の魅力を、外国人の方が理解し、満喫しているようですよ。人気上昇都道府県ランキングのベスト3をご紹介いたします。

第3位 岩手県

第3位は、東北エリアの岩手県がランクイン。訪日の国別では台湾から多く、岩手県のいわて花巻空港に、2018年8月よりタイガーエア台湾との国際定期便が就航したことが大きな引き金となったようです。また、2019年1月30日から上海便が国際定期便として就航するので、訪日旅行客のさらなる増加が見込めそうですね。

安比高原スキー場が人気

安比高原スキー場

安比高原スキー場

岩手県にある安比高原スキー場は、いわて花巻空港からバスで約80分というアクセスの良さ。長くスキーに親しんでいる欧米客、初心者が多いアジア系のスキー需要が増加しています。圧雪をせずふわふわの新雪の上を滑るバックカントリーエリアを、5ヘクタールから60ヘクタールへ大幅に拡大するなど、外国人の好みに応じる柔軟性も喜ばれているようです。スキーで凍えた身体は、安比温泉で温められるのも魅力。


安比を拠点に八幡平・岩手を楽しむ~Let’s start all fun things from APPI in Hachimantai IWATE ~/安比高原

「安比高原・八幡平・二戸」エリアは前年度比+453.8%(約5.5倍)

紅葉の八幡平
紅葉の八幡平

岩手県内では「安比高原・八幡平・二戸」エリアが+453.8%(約5.5倍)と飛躍的に人気が上昇。日本国内ではスキー客が減少したものの、スキーの人気が高い海外旅行客には、雪質とコンディションが良い日本のスキー場が喜ばれているようです。温泉やグルメのアフタースキーの充実度も大きな魅力。冬季のみならず、紅葉時期の息を飲むような美しさも見逃せず、こちらはカップルや夫婦旅行に人気があるようです。

第2位 福島県

第2位の福島県は、前年のランキング圏外からジャンプアップ。前年度比+184.6%ですから、2倍近くの伸び率です。訪日旅行客が感じた福島県の魅力とは。

「会津若松・喜多方」エリアが最も人気

夏の只見線
夏の只見線

福島県内では「会津若松・喜多方」エリアが最も人気。会津若松は鶴ヶ城や武家屋敷、喜多方はラーメン巡りの楽しみがありますが、訪日客の一番のお目当ては別のところにあるようですよ。

世界で最もロマンティックな鉄道

雪の只見線

会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶJR只見線は、「世界で最もロマンティックな鉄道」として中国や台湾、タイなどのSNS上で話題。秘境を巡るローカル線は、只見川や河畔に点在する集落、雄大な山々は四季折々に素晴らしい景色を見せ、まさに日本の絶景。墨絵のような冬景色、息まで緑に染まりそうな新緑、錦秋の紅葉など絵画の中に入ったような自然美は、多くの旅行者を惹きつけて止まないようです。
 

第1位 鳥取県

第1位は、鳥取県。前年も3位にランクインしており、今回は第1位に輝く快挙です。

鳥取県・平井伸治知事の名言「スタバはないが日本一のスナバはある」

鳥取県のイメージといえば、日本で最も人口の少ない県。2014年当時日本全国で唯一スタバがなかった(スタバは一定の集客数が見込めないと出店しない)ことに対して、平井伸治知事が「スタバはないが、日本一のスナバはある」と言ったそうです(その後2015年にスタバは鳥取県に出店)。ないものを恥じるのではなく、自分の県にしかないものを誇るというスタンスは素晴らしいですね。ポジティブ思考で、鳥取県を日本の訪日旅行客人気県に押し上げました。

鳥取県は、アニメの聖地

水木しげるロード
(C)beeboys / Shutterstock.com

日本といえば、イコールアニメや漫画と考える外国人が多い「アニメ大国」。筆者の住むニューヨークでも日本のアニメファンが多く、アジアから中南米、ヨーロッパまで及ぶのに驚かされます。鳥取県はアニメに由来する愛称を持つ「米子鬼太郎空港」「鳥取砂丘コナン空港」の2つの空港があり、アニメファンにとってはたまらない「アニメの聖地」なのです。
 

米子鬼太郎空港
Website: https://www.yonago-air.com

鳥取砂丘コナン空港
Website: https://www.ttj-ap-bld.co.jp

「ゲゲゲの鬼太郎」水木しげる氏の出身地

水木しげるとその作品たち(Ⅰ)2010年頃 ©水木プロダクション 

水木しげるとその作品たち(Ⅰ)2010年頃 ©水木プロダクション PR TIMES

鳥取県境港市は、「ゲゲゲの鬼太郎」で有名な水木しげる氏の出身地。水木しげる氏の3回忌である2018年末から2019年1月末まで企画展「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」が行なわれました。

水木氏の妖怪を堪能できる「妖怪の町 境港町」

水木しげるロード
(C)beeboys / Shutterstock.com

鳥取県米子市から妖怪の町・境港へ続くJR境線は、「鬼太郎列車」が走り、沿線の各駅は「ねずみ男駅」など妖怪の名前がつけられています。終点の境港駅は、もちろん「鬼太郎駅」。

妖怪の町 境港町には「水木しげるロード」があり、約800mの通りに並ぶ174体の妖怪ブロンズ像をはじめ、お店、駅、交番、外灯から公園まで、すべて妖怪づくし。町ごとテーマパークという楽しさ。水木しげる記念館へ向かうまでには妖怪神社や妖怪倉庫もあり、記念館のお隣の妖怪楽園では、妖怪のラテがいただけます。お土産に買って帰りたい鬼太郎パンもありますよ。
 

鬼太郎列車
●米子駅 … 「ねずみ男」駅
↓ 
●博労町(ばくろうまち)駅 … 「コロポックル」駅
↓ 
●富士見町駅 … 「ざしきわらし」駅
↓ 
●後藤駅 … 「どろたぼう」駅
↓   
●三本松口駅 … 「そでひき小僧」駅
↓  
●河崎口駅 … 「傘化け」駅
↓   
●弓ヶ浜駅 … 「あずきあらい」駅
↓  
●和田浜駅 … 「つちころび」駅
↓  
●御崎口(みさきぐち)駅 … 「砂かけばばあ」駅
↓  
●大篠津駅 … 「べとべとさん」駅  

●中浜駅 … 「牛鬼」駅  
↓ 
●高松町駅 … 「すねこすり」駅
↓   
●余子(あまりこ)駅 … 「こなきじじい」駅
↓  
●上道(あがりみち)駅 … 「一反木綿(いったんもめん)」駅
↓  
●馬場崎町駅 … 「キジムナー」駅  
↓ 
●境港駅 … 「鬼太郎」駅
Website: http://www.sakaiminato.net/c817/map/youkairesshazikokuhyou/

水木しげるロードマップ
Website: http://www.sakaiminato.net/c817/roadmap/map/

水木しげる記念館
Website: http://mizuki.sakaiminato.net

神戸ベーカリー 水木ロード店(鬼太郎パン
Website: https://www.tripadvisor.jp/Restaurant_Review-g1023598-d3778908-Reviews-Kobe_Bakery_Mizuki_Road-Sakaiminato_Tottori_Prefecture_Chugoku.html

ゲゲゲの女房ゆかりの地

水木しげるロード 水木しげる夫妻
(C)beeboys / Shutterstock.com

水木しげるご夫妻の人生は、NHKドラマ「ゲゲゲの女房」にもなりました。ご夫妻のゆかりの地を辿ることも出来ますよ。筆者は2010年に放映されたゲゲゲの女房の大ファンでしたので、訪れてみたいですね。
 

ゲゲゲの女房ゆかりの地
Website: http://www.sakaiminato.net/photolib2/P02456.jpg


僕らはきっと会えるんだ 妖怪ワールド鳥取県/とっとり動画ちゃんねる

まんが王国とっとり

また、一般社団法人アニメツーリズム協会の「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」の一つに選ばれた、「名探偵コナン」の作者「青山剛昌ふるさと館」も人気を集めています。

今や鳥取名物すなば珈琲にもぜひ寄りたいもの。
 

青山剛昌ふるさと館
Website: http://www.gamf.jp

まんが王国とっとり
Website: https://www.pref.tottori.lg.jp/mangaoukoku/

2018年訪日旅行客に人気県ランキング

2018年 訪日旅行(インバウンド)人気上昇都道府県ランキング

(C) PR TIMES

前年度から2倍近くの圧倒的な伸びを見せた、第1位の鳥取県、第2位の福島県。第3位は岩手県。僅差で、第4位新潟県、第5位山形県と続きます。こうして私たちが知らなかった各県の魅力を、訪日旅行客はよく把握していますね。日本の各県にはたくさんの魅力があることを、日本人よりも外国人は理解しているようです。
 

2018年 訪日旅行(インバウンド)人気上昇都道府県ランキング 概要

集計日: 2019年1月21日(月)
集計方法: 以下の「宿泊期間」における楽天トラベルの外国語サイト(6言語10サイト)経由の人泊数を集計。
宿泊期間:2018年1月1日(祝)~12月31日(月)

参考
[外国人好みのスキー場に ふわふわ新雪、客室に温泉 「NIKKEI STYLE」]
[八幡平市観光振興計画]
[楽天トラベル、2018年 訪日旅行(インバウンド)人気上昇都道府県ランキングを発表- 伸び率1位は鳥取県 –]

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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