日本におけるパスポート所持率は、国民の4人に1人。世界最強と言われていることを考えると、この数は少しさみしく感じますが、ここ数年、パスポートの発行数が増えています。2018年の日本のパスポート発行数は4,332,397冊で、前年比5.3%増!今回は、昨年発行されたパスポートの属性を探ります。
2018年に発行パスポートの年代・性別データ
パスポートの発行は、旅行計画が特にない中での更新や記載変更の場合もあるので、旅行実績とはなりません。それでも、どんな人にパスポートの需要があるのかというのは興味深いものがあります。
パスポートには、公務で使う「公用旅券」と普通の国民が使う「一般旅券」があり、一般旅券の発行数が全体の99.3%を占めています。
2018年発行の一般旅券では、19歳以下が22.3%、20代が20.8%、30代が13.8%、40代が14.4%、50代が12.4%、60代が10.2%、70代が5.2%、80歳以上が0.9%となっています。
また性別では、男性が47.1%、女性が52.9%でした。
そして、最も多かった年代・性別は19歳以下の女子で507,357人、これは全体の12.1%を占めています。
19歳以下がなぜ多い?
今回一番多かった年代である19歳以下は、約93万人に上ります。
まず、他の年代が10歳刻みの中、ここだけ20歳刻みだから、という理由があります(80歳以上もありますが)。
それにしても、19歳以下が多いのは意外だったのではないでしょうか。
この年代であれば、家族旅行がまず考えられますが、実は学校行事も多いのです。
2017年、中高生の修学旅行・研修旅行で約23万人が海外に出かけています。公立・私立問わず、海外を選択している学校が多いのですね。やはりコストも理由なのか、行き先は台湾が一番多いです。次いで東南アジアなのですが、その中ではシンガポール、マレーシアが人気です。
筆者の周りでも、家族旅行や学校行事で海外に行く子どもが確かに多くいます。近頃は海外デビューが本当に早くなっていますね。
意外と30代が少なく、20代が多い
30代の発行が全体の13.8%で、19歳以下(22.3%)、20代(20.8%)、40代(14.4%)よりも少なくなっています。この年代こそ出張や旅行で海外に行く人が多そうですが、意外ですよね。
人口ピラミッドを見れば、40代以降どんどん人数が減っているので、30代が40代より少ないのは仕方がないかもしれません。
さて、20代です。19歳以下も10歳刻みだったら、ここがトップだった可能性があります。若者の海外離れが進んでいると聞くので、思いがけない結果だったのではないでしょうか。気になって調べてみたところ、この現象は既に過去のものとなっていたようです。20代の人口自体が減っているため、出国人数は以前ほど多くないものの、人口の中で占める延べ出国人数となる出国率は、2017年に25.5%と、過去最高を記録しています。
20代については、57.5%が女性です。時間やお金を自由に使える人が多い20代が、可愛いもの、おいしいもの、楽しいことを求めて元気に海外に行っていると思うとうれしくなりますね。
80歳以上はそれなりに多い
さて、80歳以上の男女は、国内発行の一般旅券の中でいえば0.9%と割合は小さく見えますが、39,710人もいます。そのうち55.1%が女性です。楽しい旅行だったり、やむを得ない移動だったり、理由はさまざまなのでしょうが、なんだか勇気が湧いてくる結果です。
春になりました。旅行シーズン到来です。パスポートは有効期間をチェックし、必要に応じて更新しておきましょう。
参考
[旅券統計]
[修学旅行ドットコム]
[総務省統計局]
[nippon.com]
[日経X TREND]
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