日本のはじまりの場所で、私のはじまりを。
奈良県中部に位置する『橿原神宮』。「日本書紀」によると、今から約2600年前、天照大神の血をひく神倭伊波禮毘古命(かむやまといわれびこのみこと:後の神武天皇)が高千穂から東へ向かい、この地にて紀元元年に第一代神武天皇として即位されました。明治23年『橿原神宮』が創建され、初代神武天皇と皇后様をお祀りし、まさに日本の歴史と文化の発祥の地と記されています。
裏手の畝傍山(うねびやま)を背に南東16万坪の敷地内にある、本殿、外拝殿、神楽殿など荘厳で美しい日本の建築にため息がでます。
ちなみに「畝傍山」は平成17年に名勝指定された大和三山〈香久山(かぐやま)・耳成山(みみなしやま)・畝傍山(うねびやま)〉のひとつで、標高199.2mと大和三山の中で一番高く、万葉集では中大兄皇子が歌も詠んでいます。
昇る太陽、すべてを照らす。
橿原神宮駅から出発し表参道を歩き、一の鳥居をくぐると橿が並び、自然と心は静かに穏やかになってゆきます。神橋を渡ると二の鳥居がありますが、そこでぜひ後ろを振り返ってみてください。
先程通ってきた鳥居までの参道を、朝日が真っ直ぐと昇ってきます。その姿は〈神その者〉という力強さ。
手水舎で清め拝殿へ進みます。開けた空間に長い廻廊の外拝殿。そこから本殿へ向けて祈りを捧げ、また後ろを振り向くと先ほど見た太陽がだんだんと昇り、光が辺りを柔らかく包んでいきます。
橿原神宮は山と森に囲まれていますが、その表現は「森・山」というくくりではなく、1本1本の「木」という表現がしっくりくるように「木」の意識がはっきり在る感覚。静かに厳かでありながらも、私たちを暖かく受け入れてくれているようで、愛で溢れているとはこういいうことなのか、と深く安らぐことでしょう。
その他、深田池、森林遊苑、長山稲荷社など、穏やかになれる場所がたくさんあります。
『長山稲荷社』は橿原神宮の末社であり、御祭神が宇迦能魂神(うかのみたまのかみ)、豊受気神(とようけのかみ)、大宮能売神(おおみやのめのかみ)とお祀りされていて、開運、厄除け、五穀豊穣、商売繁盛の御神徳を授かれます。京都・伏見稲荷大社の千本鳥居を思わせる並ぶ朱色の鳥居は、目の前の広大な深田池へと続き、池では鳥たちが朝から羽を休めていました。
聴こえる羽音、水の音、映る水面はきらきらと。
覚醒する細胞と私のリセット。
朝の太陽の光は頭の中から入って、体の中心に一本線が通っていくような。指先まで細胞がクリアになっていくような。そんな「ような」は、きっと「目には見えない大きな力」の存在感が圧倒的だからこそ。
『橿原神宮』は、開運、厄除、出世、勝負の祈願のパワースポットでありますが、そんなことを忘れてしまうくらい、それを越えるくらいのエネルギーが溢れていました。光、森、鳥、水、空、ぶれない空気の中、ただポツンとただずみ、息をする。それだけでもいい。自分の新しい始まりに、朝のお散歩いかがでしょう。
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『橿原神宮』
住所:〒634-0063奈良県橿原市久米町943
TEL:0744-22-3271
参拝時間:6時30分~18時30分(季節によって変動します)
定休日なし
交通:近鉄「橿原神宮前駅」中央口徒歩10分
参考(橿原市観光協会サイトSarara)
橿原神宮
http://www.kashihara-kanko.or.jp/spot/021.html