
ドイツ・メルヘン街道の町アルスフェルトは、知る人ぞ知る木組みの町。叫びたくなるほど可愛らしい町並みが残っているにもかかわらず、あまり観光地化されていない素朴な表情が魅力です。
なかでも、とんがり屋根の木組みの市庁舎は、絵本から飛び出してきたかのような愛らしさ。「赤ずきんちゃん」の故郷といわれる、メルヘンの町に会いにいきませんか。
赤ずきんの故郷アルスフェルト

アルスフェルトは、ドイツ中部に位置するメルヘン街道沿いの小さな町。メルヘン街道は、ドイツの主要観光街道のひとつで、グリム兄弟ゆかりの町やグリム童話の故郷を結ぶ街道です。
アルスフェルトが属するシュヴァルム地方は、独特の民族衣装をもつ地域。シュヴァルム地方の女性がかぶるコップのような伝統の赤い帽子は、「赤ずきんちゃん」の原型といわれています。

アルスフェルトのワインハウス裏には、「赤ずきんの噴水」と称されるシュヴァルムの泉が。本当はガチョウ番の娘なのですが、赤い帽子をかぶっているために「赤ずきん」と呼ばれているのですね。
アルスフェルトへのアクセス

ヘッセン州の真ん中に位置するアルスフェルトへの起点は、バロック都市として知られるフルダ。フルダ駅からアルスフェルト駅までは、普通列車で約45分です。
フランクフルトからは、フルダまたはギーセンで乗り換えて2時間前後。フランクフルトからの日帰りも可能ですが、列車の本数は多くないので、ドイツ鉄道ホームページで事前にスケジュールとルートを確認しておきましょう。
とんがり屋根の市庁舎がシンボル

アルスフェルト駅から5分ほど歩くと、木組みの家が連なる旧市街へとたどり着きます。
町のシンボル的存在が、マルクト広場に面して建つとんがり屋根の市庁舎。16世紀初頭に建てられた木組みの建物で、あまりの可愛らしさに目が釘付けに!周囲の建物とのハーモニーも見事で、メルヘン街道の名にふさわしい、絵のような光景が広がっています。

市庁舎の隣に建つレンガ造りの建物は、かつて市のワイン貯蔵庫だったワインハウス。この建物の角には、かつて軽犯罪を犯した人を罰した、中世のさらし台があります。中世の町には必ずあったさらし台ですが、今日まで保存されているのは珍しいとか。
絵本のような木組みの街並み

マルクト広場を中心に、楕円形に広がる旧市街は、まさにグリム童話の世界。小さい町ながら400軒以上の木組みの家々が保存されていて、古いものは15世紀にさかのぼります。

右を見ても、左を見ても、可愛らしい木組みの家!うろこ状の外壁をもつ家や、木組みとうろこのコラボレーションも見られ、木組み好き、旧市街好きにはたまりません。

今も靴屋さんとして営業している建物。外壁に可愛らしい装飾が施されている家も多く、見ていて飽きることがありません。
穏やかな日常感が魅力

アルスフェルトの旧市街について特筆すべきが、ここが日常の場であること。
一部カフェやレストラン、ミュージアムなどとして使われている建物もありますが、アルスフェルトがさほど観光地化されていないこともあり、民家として利用されている木組みの建物が多いのです。筆者が訪れた際も、明らかに観光客とわかる人は数人しか見かけませんでした。

中世都市の面影をそのままに残す美しい町並みと、穏やかな日常の空気。それこそがアルスフェルトの魅力なのです。
ほっこり古民家カフェ「オーマズ・カフェシュトゥーブ」

アルスフェルトのおすすめカフェが、「オーマズ・カフェシュトゥーブ」。古い木組みの建物を改装した古民家カフェで、階段をのぼって2階に上がると、隠れ家的なレトロ空間が広がっています。

素朴な手作りのケーキとともに過ごすティータイムは、アルスフェルトらしいノスタルジックなひとときです。

絵のような美しい旧市街がありながら、さほど観光地化されていないアルスフェルトは、まさに穴場の観光地。いつか絵本で見た、メルヘンの世界があなたを待っています。
取材協力:ドイツ観光局
[All photos by Haruna]
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Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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