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【連載】ベストシーズンを迎える海外の旅先 <7月編 ジョージア>

Posted by: 春奈
掲載日: Jul 1st, 2019.

この連載では、1ヵ月ごとに、その月にベストシーズンを迎えるおすすめの海外の旅先を紹介していきます。第7回目となる7月におすすめの旅先は、コーカサスの小国ジョージア。日本ではまだまだ認知度が低いものの、バックパッカーのあいだでは沈没地として有名で、エキゾチックな町並みに雄大な自然、世界屈指の美食など、知られざる魅力が満載の秘境です。

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コーカサスの秘境・ジョージア

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ジョージアは、ロシアと中東のはざまに位置する南コーカサスの国。2015年に日本政府が呼称を変更するまでは「グルジア」と呼ばれていたため、そちらのほうに馴染みがある人も多いかもしれません。

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古くから文明の十字路だったコーカサスにおいて、独自の文化を育んできたジョージア。世界で2番目のキリスト教国である一方、イスラム勢力に征服された時代もあり、東西の文明が入り混じるエキゾチックな風景が魅力です。

まだまだ観光地化されきっていない秘境の雰囲気が残る一方で、物価が安く、治安が良く、食事もおいしいとあって、バックパッカーのあいだでは、「沈没地」として有名。一度訪れれば、その居心地の良さに魅了されてしまう人が続出しています。

首都トビリシ

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ジョージア中東部に位置するトビリシは、5世紀からジョージアの都として発展してきた歴史ある町。旧市街には、ヨーロッパ風とアラブ風の歴史的建造物が混在し、モザイクのような景観をつくり上げています。

トビリシを代表する観光スポットが、4世紀に建設が始まったナリカラ要塞です。現在ではなかば廃墟のようになっていますが、ここから見下ろすトビリシのパノラマは壮観。

三方を山に囲まれ、町の中央を川が横切るダイナミックな地形に、斜面にへばりつくようにして建つ家々・・・近代化されきっていない町並みは、初めてなのになぜか懐かしい、心の琴線に触れる風景です。

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要塞からの眺望を楽しんだら、キリスト教の教会やイスラム教のモスク、ユダヤ教のシナゴーグなどが点在する旧市街を歩き、トビリシの歴史を彩った多彩な文化を感じてみてください。

世界遺産の古都ムツヘタ

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トビリシから日帰りで行ける古都ムツヘタは、紀元前4世紀~紀元前5世紀にかけて、イベリア王国(現在のジョージア南東部)の首都として栄えた町。ジョージアの長いキリスト教史を物語る3つの教会と修道院は、1994年に世界遺産に登録されています。

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町の中心部に建つスヴェティ・ツホヴェリ大聖堂は、ジョージア最古の歴史をもつ教会。現在の建物は11世紀ごろに再建されたものですが、当初ここにはジョージアにキリスト教をもたらした聖ニノが建てた教会があったといわれています。

キリストが磔になったときの上衣の一部が埋められているという言い伝えもあり、現在もこの大聖堂は、コーカサスのキリスト教徒にとって重要な巡礼地。ジョージアの歴史を見守ってきた古色蒼然としたその姿は、のんびりとした町並みとともに、古都の情緒を醸し出しています。

限りなく天国に近い教会

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ジョージアを訪れるなら必ず見ておきたい絶景が、「限りなく天国に近い教会」と称される、ツミンダ・サメバ教会。トビリシからロシアのウラジカフカスへといたる、ジョージア軍用道路沿いのカズベギ村の山頂にあり、トビリシから日帰りツアーなどで訪れることができます。

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道なき道を四輪駆動車で走り、山上にたどり着いたら、眼前には標高5000m級のカズベク山の雄大な景色が広がっています。その手前の標高2170mの山頂にそびえているのが、ツミンダ・サメバ教会。

荒々しい山肌に囲まれたその姿は、「神々しい」という表現がぴったりで、少しでも神に近づこうと、これほどの難所に教会を建てた人々の思いに胸が熱くなります。

黒海リゾート・バトゥミ

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雄大な山の風景が印象的ですが、黒海に面するジョージアには、ビーチリゾートとしての顔もあります。ジョージアきってのリゾート地が、近年急速に観光開発が進んでいるバトゥミ。

古い町並みが残るトビリシとは対照的に、近未来的な高層ビルが林立するバトゥミは、ジョージアのほかの都市とは違った開放的なムードが味わえます。

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ビーチはもちろんのこと、カジノも有名で、安価にリゾートステイが楽しめるのが魅力。アーティスティックなビルと、キリスト教の教会やイスラム教のモスクが共存する多文化都市の風景には、西ヨーロッパのリゾート地にはない、独特のエキゾチシズムがあります。

世界屈指の美食

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実は、ジョージアは世界屈指の美食国。さまざまな民族や文化が行き交ってきただけに、周辺各国の「いいとこどり」をしたかのような、豊かな食文化が育まれてきました。

肉や野菜、乳製品など、食材のバリエーションが豊富で、素材を生かしたマイルドな味つけのものが多いので、日本人の口にも良く合います。世界各国を旅した日本人バックパッカーのなかにも、「ジョージアの食事が一番おいしかった」と太鼓判を押す人も。

物価が安いので、お財布を気にせずにさまざまな料理を試せるのも嬉しいところ。「ジョージアの小籠包」といわれる「ヒンカリ」や、チーズパン「ハチャプリ」など、ユニークな郷土料理の数々を楽しみましょう。

ジョージアの気候

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ジョージアの気候は地域によって異なり、黒海沿岸の夏は暑く、冬は比較的温暖。東部は冬の冷え込みが厳しくなります。

ジョージア旅行のベストシーズンは、5~9月ごろ。ただし、山岳部でハイキングなどを楽しむなら、6月中旬~9月中旬ごろがおすすめです。夏の晴れた日には日差しが強くなりますが、日本よりも湿度が低いので、過ごしやすく感じられます。夏のジョージアは晴天率が高いので、爽やかな休日が楽しめますよ。

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旅行先としてはメジャーとはいえないものの、日本人はビザなしで一年間滞在できるとあって、SNSなどでじわじわと注目度が高まっているジョージア。あなたも、心安らぐこの国を旅先の候補に加えてみませんか。

春奈

Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。


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