ポーランドをディープに浸る!歴史ファンに超オススメの「共産主義ツアー」

Posted by: Nao

掲載日: Jul 8th, 2019

ワルシャワを旅してリアルなポーランドの歴史を知りたい時にオススメなのが「共産主義ツアー」。ガイドブックでは紹介されていない、第二次世界大戦後の社会主義時代をより深く学べます。歴史ファンは必見ですよ!

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壊滅的な被害を受けた第二次世界大戦後、独立を果たすもののソ連の影響下に組み込まれたポーランド。1989年に崩壊するまで社会主義体制が続きました。首都ワルシャワにはこの時代に築かれた、共産主義を象徴する巨大で無機質なビルが現在でも立ち並びます。

より深く“共産主義”を学びたい時にオススメなのが「共産主義ツアー」というちょっと変わった現地ツアー。戦後のポーランドのリアルな話を聞きながらスポットを巡ることができます。

今回は筆者自ら参加した共産主義ツアーをご紹介しましょう!

レトロな車に乗ってワルシャワを駆け抜けます

筆者が利用したのは「WPT1313」というツアー会社による共産主義ツアー。宿泊したホテルのコンシェルジュに数社紹介してもらい、内容や時間、料金を考慮して選びました。2時間で1人約4,500円(2人利用時)。ガイドさんはポーランド人ですが大変わかりやすい英語で話してくれるので安心です。

ツアーではポルスキ・フィアット125pという1970年代に生産されたクラシックカーを利用。社会主義時代へタイムスリップしたような気分で移動を楽しめますよ。

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ツアーは文化科学宮殿からスタート。文化科学宮殿はスターリンからポーランド人への“贈り物”として、1955年に建てられた“スターリン様式”の建築物。高さは234m、42階建て。部屋の数は3288室もあるのだそう。

スターリン様式とはニューヨークの摩天楼に対抗するために考案されたもので、本家ロシアにはこの様式の建築物が7つ現存。社会主義体制が崩壊した現在でもワルシャワのランドマークとして、独特の存在感を放っています。


続いて社会主義リアリズム様式の建築物が集まる憲法広場へ移動。

この広場に面するマルシャウコフスカ通りは、もともと写真中央奥にある細い道路だったようですが、社会主義体制に入ってから拡張されたとのこと。現在でも某国が大規模な軍事パレードを行なっているように、社会主義国にとって幅広い道路は必要不可欠だったのだとか。


こちらは共産党幹部の住居として使われていた建物。ガイドさんによると、当時の一般庶民は団地のコンパクトで無機質な空間に暮らしていた一方、共産党幹部の住居はそれよりもはるかに大きく、贅沢な内装が施されていたのだそう。

共産主義思想を扇動するプロパガンダ

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当時の政府によって作られた、プロパガンダである労働者の彫像。労働者や労働などを褒め称えるもので、憲法広場近くの建物に刻まれています。

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鉄鋼工場で働く男性をモチーフとした彫像。このような記念碑や彫像によって国民に共産主義思想を植えつけ、大衆を扇動したのだとか。

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こちらは繊維工場で仕事をする女性。男性だけでなく女性の労働量の増加を狙ったものなのだそう。

巨大すぎる元共産党本部ビル!


続いてかつてポーランド統一労働者党(共産党)の本部として使われていたビルへ移動。巨大な建築物が現存するワルシャワにおいても一際インパクトを醸し出しています!


もはや写真に全て収めることが難しいほどのおびただしいまでの大きさ!当時は政府が“国民の建物”という態で国民から寄付を募ったらしいのですが、当然ながら一般市民は利用することがなく、夜な夜な共産党幹部によるパーティーが行われていたのだとか。

ちなみにこの建物の一部にフェラーリのショールームが入っていました。時代の変遷は不思議なものです…。

ガイドブックでは決して知り得ないリアルな歴史を学べる「共産主義ツアー」。ポーランドをよりディープに浸りたい時にぜひ利用してみてはいかがでしょうか?

[WPT1313]
[Photos by Nao]

PROFILE

Nao

Nao ライター

メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。


メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。


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