季節の変化を「食」で楽しむ日本人
四季がはっきりしている日本では、春夏秋冬それぞれの時期に合わせた料理を楽しむ習慣が定着しています。現代ではビニールハウス栽培や輸入などによって通年で食べられる野菜も多くありますが、それでもなお、季節を感じられる食材を「旬の時期」に楽しむという習慣は残っているように感じます。食材だけでなく、年越し蕎麦やお節料理、子どもの日のちまきや柏餅など、それぞれの季節で楽しむ行事食も、日本の特徴的な食文化ですよね。
日本の食文化と風土
南北に広がる国土をもつ日本では、地域ごとにさまざまな食文化も発達してきました。それぞれの地域で採れる食材を使い、風土に合った調理法で作られる郷土料理は、日本食をさらに多様化しているように思います。特産物や郷土料理を知ることで、その地域の特徴や歴史をさらに知るきっかけにも。現在、特に大都市では各地方の郷土料理が食べられるお店も増え、その地域に行かなくても違う地方の料理が食べられたりもします。でももしその土地をせっかく訪れたなら、「本場もの」を食べたくなりませんか?
旅にも大きな影響を与える「食」
JTB総合研究所が実施した「歴史的な建築物がある集落や町並み(重要伝統的建造物群保存地区)」での観光に関する調査」によると、重要伝統建造物保存地区に複数回訪れた人の特徴として「昼食を食べた」人が多かったそうです。
さらに、「友人と訪問して、昼食を食べた」人は、歴史的な町並みの保存について「その土地で買い物など消費することで間接的に協力したい」と回答した人が多かったそう。消費者としてはその土地のグルメを堪能でき、食事をすることでその土地で消費をして間接的に少しでも地域に貢献できる、と考えられるのなら嬉しいですね。
「歴史的な建築物がある集落や町並み(重要伝統的建造物群保存地区)」での観光に関する調査(JTB総合研究所実施)
再訪への後押しをしてくれる食の思い出
ユネスコ無形文化遺産に登録されるなど世界的に注目される和食ですが、日本人にとっては日常の中でも大きな楽しみとなっている「食」。旬の食材やその土地ならではの食を楽しみに、旅先を選ぶこともありますよね。そして、その美味しい記憶が「もう一度行きたい」と思うきっかけになったり、印象に残る食体験を他の人に話すことで、新しい旅行者やリピーターへと広がっていくのかもしれません。
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