南洋の楽園パラオ

パラオ共和国は、太平洋のミクロネシア地域に属する小国。300以上の小島からなる島国ですが、その大半が手つかずの無人島であるため、美しい自然風景や貴重な生態系がそのまま残っているのです。
面積は、屋久島とほぼ同じ488平方キロメートルで、人口はわずか2万人強。多くの日本人にとってなじみのない国ではありますが、スペインとドイツによる植民地支配を経て、第一次世界大戦後には日本の委任統治領だったこともあり、思いのほか日本との関係が深い国です。

2019年7月現在、日本からパラオへの定期直行便はありませんが、繁忙期に運行されるチャーター直行便を利用すれば、成田空港からたった5時間でパラオへひとっ飛びです。
パラオの玄関口コロール

パラオの玄関口が、最大都市コロール。以前はパラオ共和国の首都でしたが、2006年に遷都され、現在ではバベルダオブ島のマルキョクが首都となっています。
首都の地位を手放した今も、経済の中心地であることは変わらず、パラオの人口の半分以上が集中しています。お店の数も多く、パラオでショッピングを楽しむならコロールが一番。
パラオに到着したら、まずはコロールの「ベラウ国立博物館(パラオ国立博物館)」や「エピソンミュージアム」に立ち寄って、パラオの歴史と文化を学ぶのもいいでしょう。

コロール島と空港のあるバベルダオブ島を結ぶ通称KB橋は、「日本・パラオ友好の橋」。現在の橋は2002年に日本政府のODAによって造られたもので、橋のたもとにある記念碑には、日本とパラオの国旗が描かれています。この橋を目にしたら、日本とパラオの歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
セブンティアイランド(ロックアイランド)

パラオのシンボルともいえるのが、「ロックアイランド」と呼ばれる445の島々。これらは古代のサンゴ礁の隆起によって形成された石灰岩の島で、苔のような緑濃い島々とエメラルドグリーンの海が織り成す景観美は、一度見ると忘れられない印象を残します。
ここにしか生息していない固有種も含め、多くの海洋生物が見られ、2012年には「ロックアイランド群と南ラグーン」として世界遺産に登録されました。
なかでも、「セブンティアイランド」と呼ばれる40ほどの島々は、群を抜く美しさ。野生動物保護区に指定されているため、上陸はできませんが、セスナ遊覧飛行ツアーに参加すれば、上空からパラオを代表する絶景が楽しめますよ。
ロングビーチ

オモカン島のロングビーチは、潮が引いたときにだけ現れる砂の回廊。
透明度抜群のエメラルドグリーンの海と、真っ白な砂浜のコントラストはえもいわれぬ美しさで、日本のテレビCMのロケ地にもなってきました。条件が合ったときに、一日一回だけ姿を見せる神秘のビーチ。あなたも、自然がつくる海の道を歩いてみませんか。

ロックアイランドの一画、ウルクターブル島の入り江にある人気スポットが、ミルキーウェイ。パラオの海は世界でも屈指の透明度で知られていますが、ミルキーウェイは、その名の通り、白い絵の具を垂らしたかのような、神秘的な色をしているのです。
長い歳月をかけて海に溶け込んだ石灰岩が泥として海底に溜まった結果、不思議な乳白色のエメラルドグリーンに。ここで採れる泥には美白効果があるといわれていて、全身に泥パックをするのがお約束です。
ユニークな自然美の数々

300以上の島々からなるパラオには、珍しいな自然景観の宝庫。コロール島から船で5分のところにあるのが、ナチュラルアーチ。海水による浸食で岩が削られてできた天然のアーチで、「パラオの松島」の異名をとっています。条件が合えば、干潮時に船でアーチの下をくぐることもできるとか。
ほかにも、クジラのような形をした「クジラ島」や、アントニオ猪木さんが名誉オーナーを務める「イノキアイランド」など、ユニークな島々がたくさんあります。
充実のアクティビティ

世界のダイバーが憧れるパラオの海。「ダイビングはちょっとハードルが高い」という人も大丈夫です。
パラオでは、マリンスポーツ初心者にもチャレンジしやすいシュノーケリングや、カヤッキング、スタンドアップパドル、サンセットクルーズなど、たくさんのアクティビティが目白押し。個人でパラオを訪れる場合は、現地発ツアーを活用してパラオの大自然と思いっきり触れ合いましょう。
パラオの気候

パラオの年間平均気温は27℃程度で、年間を通してほぼ一定の高温多湿な気候です。月による寒暖差はほとんどないものの、乾季と雨季があることに注意。
パラオの季節は、11月から5月ごろの乾季と6月から10月ごろの雨季に分かれ、雨季には突発的に激しい雨が降るスコールが発生します。
雨季でも旅行が楽しめないわけではありませんが、ベストシーズンは雨が少なく海の透明度が高い12月から3月ごろ。この時期なら、マリンアクティビティも思う存分満喫できます。

ハワイやグアムに比べると、決してメジャーではありませんが、チャーター便を利用すれば思いのほか近いパラオ。今年の冬は、南の楽園で夢のようなひとときを過ごしませんか。
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Haruna ライター
和歌山出身。東京での会社員時代に、旅先でドイツ人夫と出会う。5か月間のアジア横断旅行の後ドイツに移住し、ライターに転身。約2年半のドイツ生活を経て、現在は日本在住。「歴史地区」や「旧市街」と名の付く場所に目がなく、古い町を歩き尽くすのが大好き。世界のリアルな「ワクワク」を多くの人に伝えたい。
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